奈良の法隆寺聖霊院の国宝・聖徳太子坐像は、聖徳太子の34歳、または45歳の時に勝鬘経(しょうまんぎょう)を講ずる姿、あるいは摂政をする姿と表すと伝わっている彫刻です。

通常非公開の仏像ですが、お会式の期間にのみ特別公開が行われます。

ただ、お会式の期間に参拝してもその像容を拝することはできず、別の日時に拝観する機会があります。

この記事では、法隆寺聖霊院の聖徳太子像を拝観できる日時や条件について記載しています。

法隆寺聖霊院のお会式とは?

お会式(御会式)とは、宗祖などの命日に行われる行事です。

法隆寺の場合は、寺の開基にあたる聖徳太子の命日に聖徳太子の遺徳を讃えて法要が行われます。

法隆寺のお会式の期間は毎年3月22日から3月24日の3日間です。

 

お会式は通常、法隆寺の聖霊院で行われますが、10年に1度、大講堂で大法要が行われます。

毎年、聖霊院で行われるお会式を小会式と呼び、10年に1度の大講堂での大法要は大会式と呼ばれます。

 

聖霊院の聖徳太子像は、同じく聖霊院で祀られる恵慈法師坐像、卒末呂王坐像、殖栗王坐像、山背大兄王坐像とともに5体1セットで国宝に指定されている仏像彫刻です。

聖徳太子像を含む5体の国宝は、通常非公開の秘仏ですが、お会式の期間中は特別開扉(御開帳)が行われます。

 

お会式の期間は、確かに厨子の扉は開かれているのですが、聖徳太子像を含む5体の仏像を拝観することはできません。

法隆寺聖霊院の聖徳太子像は、御開帳されているのに像容を拝観できないという珍しい種類の御開帳です。

いったいどのような意味なのでしょうか?

詳細をみてみましょう。

法隆寺聖霊院の聖徳太子像はお会式で御開帳(特別開扉)されるものの拝観できない

聖徳太子像を含む5体の国宝仏像は、聖霊院の内陣の3つの厨子内に納められています。

向かって右側の厨子には、恵慈法師坐像と卒末呂王坐像のほかに木造地蔵菩薩立像(重要文化財)が安置されています。

中央の厨子には、聖徳太子坐像が安置されています。

向かって左側の厨子には、殖栗王坐像と山背大兄王坐像のほかに木造如意輪観音坐像(重要文化財)が安置されています。

 

一般の参拝者も聖霊院の外陣に立ち入って、そこから内陣を見ることはできます。

法隆寺のお会式の期間は、聖霊院の内陣の3つの厨子の扉が開かれるのですが、お供え物が高く積み上げられているため、5体の国宝像が見えません。

厨子の扉が開いているので、何もなければ像が見えるのですが、供え物があるため物理的に見えないのです。

なので、3月22日~3月24日に法隆寺を参拝し、聖霊院を訪れても聖徳太子像を含む5体の国宝仏像を拝観することはできません。

 

では、お会式の期間にしか特別公開されない国宝・聖徳太子像を拝する機会はないのでしょうか?

まったくないわけではなく、逮夜法要で拝観することができます。

法隆寺聖霊院の国宝・聖徳太子像を拝観できるのは逮夜法要

逮夜法要は毎年3月21日の夕方から行われる法要です。

法隆寺の3月の閉門時間は17時なので、拝観受付が終了して、18時を過ぎた頃に逮夜法要が聖霊院で行われます。

 

逮夜法要では、10数名ほどの僧による声明や雅楽器の奏楽が行われます。

聖霊院の内部は、ろうそくの光で照らされているだけなので暗いですが、その中を声明や管弦が響くので幽玄な世界を感じられます。

時間はうろおぼえですが、30分~1時間くらいです。

 

僧が声明や雅楽器を奏楽するのは聖霊院の内陣で、逮夜法要の参加者は聖霊院の外陣から内陣を見るかたちになります。

逮夜法要の参加は予約不要で、料金は無料です。

早く来た参加者から外陣の前の方に座り、後に来た参加者ほど外陣の後ろの方に座ることになります。

 

逮夜法要には地元の人が常連で来るという噂を耳にしていたので、私は逮夜法要前にある程度の人数の参加者が聖霊院に入るまで聖霊院の外で待っていました。

よそ者の私が一番前に陣取ると、常連さんに睨まれるのかなーと想像してビビっていたからです(笑)

一番前に陣取ると睨まれるかもしれないというのは、完全に私の妄想なので、実際はおそれることはないのかもしれません。

 

逮夜法要中の聖霊院の内部は暗いので、外陣の前の方に座っても、そこから内陣の厨子内に安置されている聖徳太子像は見えません。

なので、仏像を見るという意味では、早めに来ても遅めに来てもあまり変わらないかもしれません。

逮夜法要が始まる直前には、聖霊院の外陣は参加者でいっぱいになっていたので、もちろんあまり遅すぎるのは良くないと思います。

 

声明や雅楽器の奏楽が終了した後、参加者は前にいる人から順番に内陣に立ち入って、聖徳太子像を含む国宝仏像を拝観することができます。

その時、内陣の床には法要中に使用された散華がおちていて希望する参加者は早い者順になりますが散華を頂くことができます。

(欲しい人は各自で勝手に拾っていく形式)

散華がほしい人は早めに逮夜法要に来た方がいいです。

 

内陣をぐるっと一周して聖徳太子像などの仏像を見ることになるのですが、後から参加者が行列になって続いているので、仏像を見ることができる時間はほんとうに短いです。

さらに、聖霊院の内部は暗いので、写真で見るのとは異なる印象を受けるかもしれません。

ただ、確かにそこに祀られていることはわかります。

法隆寺お会式の逮夜法要のまとめ

  • 日時:毎年3月21日の18時を過ぎてから
  • 参加:予約不要、料金無料
  • 時間:30分から1時間(うろおぼえです)
  • 法要で行われること:声明や雅楽器の奏楽
  • 頂けるもの:法要後に床におちている散華(欲しいなら早めに参加しよう)
  • 聖徳太子像の拝観:法要後、外陣の前の参加者から順番に内陣を一周する(短時間だし、堂内は薄暗いですが)

法隆寺の他の国宝仏像については下記記事をご覧ください。

法隆寺の国宝仏像一覧と所蔵数は?秘仏公開期間(特別拝観)も

 

薄暗い空間に声明や管弦が響く幽玄な世界を感じたい人や一目でもいいから聖徳太子像を見たいという人は逮夜法要に参加することをおすすめします。