室生寺五重塔の歴史文化や建築の特徴は?高さは日本最小?


室生寺五重塔は、室生寺の創建期にまで遡る室生寺で最古の建造物です。

五重塔としてはかなり高さが低いことでも知られています。

 

五重塔は周囲の杉の木に囲まれています。

塔と自然が調和していて美しいです。

境内の石段上に見える五重塔の姿は、天女が舞い降りたようだと評されることもあります。

 

この記事では室生寺五重塔の歴史や建築、初層開扉の情報について触れます。

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室生寺の国宝・五重塔の建築様式は?相輪が変わってる?

室生寺五重塔は室生寺で最古の建造物で、国宝指定されています。

奈良時代最末期~平安時代最初期にあたる800年頃に建立されました。

 

灌頂堂(本堂)の脇にある階段の下に立って、最上段を見上げると五重塔が見えます。

 

室生寺五重塔は高さ16.10m、平面2.45平方mで、屋外に立つ五重塔としては日本国内最小です。

五重塔のなかには、海龍王寺の五重塔(4.01m)や元興寺の五重塔(約5.5m)のように屋内に立つものも存在します。

 

さらに室生寺五重塔は現存する屋外の五重塔のなかでは2番目に古いです。

現存最古の五重塔は法隆寺にあります。

 

2層目から上の層には高欄(こうらん)という手すりのようなものが装飾されています。

 

塔のてっぺんについている相輪(そうりん)が珍しい形をしているのも特徴です。

 

九輪という9つの輪の上には、水煙(すいえん)という火焔状のものが付けられることが多いのですが、

室生寺五重塔の場合は、受花つきの宝瓶を据えて、

さらに八角の天蓋(てんがい)と竜車(りゅうしゃ)、宝珠(ほうじゅ)が付いています。

 

参考:四天王寺五重塔の水煙がある相輪(画像)
四天王寺の五重塔↑は1963年に再建されたものですが、飛鳥時代の様式を再現しているので参考になります。

 

室生寺五重塔の屋根は、ヒノキの樹皮を用いた桧皮葺(ひわだぶき)です。

 

五重塔の屋根は初層から上層に行くにほど、大きさが小さくなります(幅が狭くなる)。

初層の屋根と上層の屋根の大きさに差があるほど、逓減率(ていげんりつ)が高いといいます。

 

室生寺五重塔は、初層の屋根と五層目の大きさがあまり変わらないので、逓減率が低い五重塔と言えます。

逓減率は低いですが、塔身は上層になるほど細くなっていますので、屋根の出は上層に行くほど深くなっています。

 

五重塔は室生寺で最古の建造物ですが、台風による打撃を受けて修復されるという大変な時期もありました。

室生寺五重の塔は台風7号で打撃を受けて修復された

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室生寺の五重塔は、1998年(平成10年)9月22日の台風7号で被害を受けました。

台風7号で損壊した室生寺五重塔(画像)

五重塔の近くにあった高さ50mほどの杉の巨木が強風に煽られて倒れ、五重塔に直撃しました。

五重塔の西北側の初層から五層までの庇が損壊しました。

 

 

1999年2月から保存修理工事が始まり、2000年9月に修理工事が終了しました。

保存修理の際には調査も行われ、創建当初の部材の年輪を測定したところ、

五重塔の建立が室生寺創建期の800年頃ということが判明しました。

 

また現在の五重塔の屋根は桧皮葺ですが、創建当初は板葺であったこともわかりました。

 

桧皮葺の屋根の修理には、7.5トンのヒノキの皮(500本の樹皮)が用いられました。

桧皮はすべて室生山にあるヒノキでまかなうことができました。

 

指定文化財は被害の大きさによっては、国宝や重要文化財の指定を解除される場合もありますが、

室生寺五重塔は国宝指定が解除されずに済みました。

 

法隆寺や興福寺、東寺などの国宝の五重塔は初層が常時公開、

あるいは期間限定で特別公開されることがありますが、室生寺五重塔はどうなのでしょうか?

室生寺五重塔の内部は公開されていない?特別拝観はいつ?

五重塔の初層には心中を囲むように五智如来(ごちにょらい)坐像が安置されています。

室生寺五重塔の五智如来像の画像

五智如来坐像は、大日如来坐像・阿弥陀坐像・宝生如来坐像・阿閦(あしゅく)如来坐像・不空成就如来坐像の5体の如来の総称です。

 

五智如来像の像高は数十センチメートルぐらいで、江戸時代に造像されました。

江戸時代に五智如来像が造像される以前の五重塔の初層には、

何が祀られていたのか、あるいは何も祀られていなかったのかそれすらも明らかになっていないようです。

 

五重塔の初層は通常公開されていませんので、五智如来像も非公開の秘仏です。

 

ですが、過去に五智如来像が公開されたことがあります。

2010年の平城遷都1300年を記念した特別拝観イベントの一環で、五重塔の初層の扉が開かれました。

塔の中に安置したままだと見えづらいからか、五智如来像は灌頂堂(かんじょうどう)で特別公開されました。

 

さらに遡ると、台風7号後の五重塔修復工事の際も特別公開が行われたようです。

 

このように過去に五重塔の初層が特別公開されたことはありますが、

公開時期は不定期で次に公開されるのがいつなのかわからない状態です。

 

室生寺五重塔の見学所要時間の目安は3分ぐらいです。

外観を見るだけなので、寺院建築に興味がある人以外は、さっと見て通り過ぎる人が多いのではないでしょうか。

 

ただ、立ち止まって写真撮影する人が多いので所要時間を少し長めに3分と見積もっています。

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