奈良の室生寺は平安時代初期に創建された寺院で、平安初期の伽藍の様子を現代に伝える国内でも数少ない貴重な寺院です。

室生寺には平安時代に造像された国宝や重要文化財の仏像が現存しています。

この記事では、室生寺の国宝・重要文化財の仏像一覧と各像を拝観できる場所と期間を紹介します。

奈良・室生寺の国宝仏像の件数と一覧は?

室生寺の国宝仏像件数は3件です。

 

これは国宝仏像件数の多さでは全国で

法隆寺と興福寺(同件数)、東大寺、東寺、広隆寺と唐招提寺(同件数)に次いで7番目に多いです。

 

ちなみに奈良の薬師寺も室生寺と同じ3件の国宝仏像(彫刻)を所有しています。

 

 

室生寺の国宝仏像一覧(3件)

  1. 木造釈迦如来立像 9世紀末
  2. 木造十一面観音菩薩立像 10世紀頃
  3. 木造釈迦如来坐像 9世紀末

 

これら国宝指定の仏像を拝観できる時期と場所を説明します。

室生寺の国宝仏像は秘仏?拝観できる期間はいつ?

室生寺の国宝仏像で通常非公開の秘仏はありません。

国宝仏像は3件とも基本的に通年拝観することができます。

 

 

室生寺金堂の国宝仏像一覧(2件)

  1. 釈迦如来立像
  2. 十一面観音菩薩立像

室生寺金堂には上記、2件の国宝仏像が安置されています。

2件とも通常拝観することができますが、距離が遠くて見づらいです。

 

室生寺では例年、春期と秋期に期間限定で金堂の特別拝観が行われます。

しっかりと像容を確認したい場合は特別拝観の時期に参拝することをおすすめします!

室生寺金堂諸仏特別拝観2017は通常拝観と何が違う?期間や料金の情報も

 

室生寺弥勒堂の国宝仏像一覧(1件)

  1. 釈迦如来坐像

室生寺弥勒堂には釈迦如来坐像が安置されています。

釈迦如来坐像も通常拝観することができますが、こちらの像も金堂諸仏と同様に距離は遠く少し見づらいです。

 

室生寺では平安時代に造像された重要文化財の仏像も拝観することができます。

重要文化財の仏像の一覧と安置されているお堂について紹介します。

室生寺の重要文化財仏像の一覧と拝観できる場所は?

 

室生寺の重文仏像一覧

  • 木造文殊菩薩立像 1体 金堂 10世紀
  • 木造薬師如来立像 1体 金堂 10世紀
  • 木造地蔵菩薩立像 1体 金堂 平安時代初期
  • 木造十二神将立像 12体のうち10体 金堂 鎌倉時代中期~後期
  • 木造弥勒菩薩立像  1体 弥勒堂 奈良時代後期~平安時代初期
  • 木造如意輪観音坐像  1体 本堂 10世紀後半~11世紀前半

上記の重要文化財の仏像はすべて通常公開されている仏像です。

 

室生寺金堂には重要文化財の3体(文殊菩薩立像、薬師如来立像、地蔵菩薩立像)が

国宝2体(釈迦如来立像、十一面観音菩薩立像)とともに横並びで安置されていて、

その前列には重要文化財の十二神将立像が安置されています。

 

室生寺金堂に安置されている十二神将像は12体のうち10体のみで、2体(辰神像と未神像)は

奈良国立博物館に寄託されていて、奈良国立博物館のなら仏像館で展示されることがあります。

 

 

室生寺弥勒堂の重要文化財・弥勒菩薩立像は、室生寺に現存する仏像の中で最も古い時代に

造像されたとされる仏像で、国宝の釈迦如来坐像ともに弥勒堂に安置されています。

 

室生寺本堂の重要文化財・如意輪観音菩薩坐像は本堂の正面厨子に安置されています。