仁和寺

東京上野の東京国立博物館で特別展「仁和寺と御室派のみほとけ―天平と真言密教の名宝ー(以下、仁和寺展と表記)」が開催されています。

仁和寺(にんなじ)は京都にある門跡寺院で、寝殿造(しんでんづくり)や右近の橘・左近の桜がある庭園を現在に残す、平安貴族っぽさが漂うお寺。

世界文化遺産「古都京都の文化財」にも指定されています。

仁和寺展の概要や混雑情報、見どころなどを紹介しています。

上野・東京国立博物館の仁和寺と御室派のみほとけ展の開催概要は?

仁和寺
仁和寺

仁和寺(にんなじ)は真言宗御室派(おむろは)総本山で、第58代・光孝天皇が仁和2年(886)に建立を発願し、第59代・宇多天皇が仁和4年(888)に完成させ歴代天皇の厚い帰依を受けました。

仁和寺展では仁和寺の寺宝のほか、仁和寺を総本山とする真言宗御室派寺院が所蔵する名宝の数々が展示されます。

 

開催期間はいつ?

  • 2018年(平成30年)1月16日(火)~3月11日(日)
    ※2月14日から展示内容が大きく替わります

展示会場はどこ?

  • 東京国立博物館の平成館2階の特別展示室

開館時間は何時から何時まで?

  • 開館時間:午前9時30分~午後5時00分
    ※毎週金・土曜日は午後9時00分まで
    ※入館は閉館の30分前まで

休館日はある?

  • 毎週月曜日
    ※2月12日(月・休)は開館し、2月13日(火)は閉館

観覧チケット料金(税込)はいくら?

個人料金

  • 一般 :1600円
  • 大学生:1200円
  • 高校生:900円

 

団体料金

  • 一般 :1300円
  • 大学生:900円
  • 高校生:600円

※団体割引の適用は20名以上

 

中学生以下は無料。

障害者とその介護者1名は無料(入館時に障がい者手帳の提示が必要)。

 

巡回展の開催予定は?

仁和寺展は巡回展はないようで、東京のみでの開催されます。

 

仁和寺展の混雑状況と待ち時間は?何時に行くのがおすすめ?

博物館の展覧会は一般的に会期の終盤に近づくほど混み具合がはげしくなります。

展覧会の内容を扱ったテレビ番組の放送や実際に観覧してきた人たちの口コミの影響で、会場に足を運ぶ人が増えるからです。

 

仁和寺展もBSではありますが「ぶらぶら美術・博物館」ですでに取り上げれており、テレビを視聴して興味を持った人が大勢来館しています。

時期で言うなら早ければ早いほうが混雑状況はマシである可能性が高いです。

 

曜日はもちろん、平日の方が土日祝日より混雑していない傾向にあるのが一般的です。

時間帯だと、閉館時間の数時間前がおすすめ。

 

 

日本美術の展覧会は、一般的に朝早い時間が最も空いているというわけではなく、午前中は比較的混雑します。

12時が過ぎてランチタイムの時間帯になると、混み具合がマシになります。

そして、ランチタイムが終わってから15時台ぐらいまでは、また人が増えます。

 

16時台になると混雑が緩和され、それからは閉館時間が近づくほど人が減ります。

閉館30分前になると、会場内の人混みがぐんと減るので、貸し切り状態までとは言えませんが、かなりガラガラの状態で観覧できます。

 

ただし、仁和寺展の展示作品数174件(一部の作品は展示替えされるので実際はもっと少ない)もあるので、閉館の30分前に会場に行っても時間が足りません。

閉館の数時間前に行くのがおすすめです。

 

金曜日と土曜日は夜間開館日です。

開館時間が延長されて、閉館がほかの曜日よりも遅い21時00分になります。

夜間会館の時間帯は人出が少ないので、なるべく夜間開館日に行くほうがいいですね。

 

 

まとめると、

  • 会期終了日が近づくほど混雑する傾向がある
  • 土日祝日より平日が空いている
  • 開館してから午前中の間はずっと混雑する
  • ランチタイムは少し混み具合が緩和される
  • ランチタイムの後から15時台までは混雑する
  • 16時台から閉館時間が近づくほど空いていく
  • 夜間開館の時間帯はほぼ並ばずに入場できる

ということで、金曜日の18時以降を最もおすすめします。

土日にしか行けない場合は、土曜日の18時以降が良いです。

 

ただし、2017年に開催された「運慶展」はとても混雑したものの、仁和寺展はそれほどの混み具合ではありません。

会期の前半が終了する時期になりましたが、今のところ待ち時間もありません。

 

(後半は葛井寺の千手観音が展示されるということもあって、混雑具合は高まるでしょう。)

 

チケット購入はオンラインチケットが便利でおすすめ

東京国立博物館の正面入口にチケット売り場がありますが、混んでいたら少し待ち時間が発生することがあります。

そんな時でも事前にチケットを購入していれば、スムーズに入館できます。

 

そこで便利なのがオンラインチケットです。

オンラインチケットは文字通り、インターネット上で仁和寺展のチケットを購入できるサービス。

 

個人情報を入力して、クレジットカードで決済を行うとオンラインでチケットを購入できます。

購入したチケットは、入場時にプリントアウトしたものを提示するか、スマートフォンの画面を提示して使用することができるので、チケット売り場に行かずに済みます。

移動時間などに購入できるので便利です。

 

使用できるクレジットカードは下記の通り。

  • VISA 
  • MASTER CARD 
  • JCB

 

オンラインチケットの料金は、仁和寺展の当日券と同じです。

 

オンラインチケットサービスのURLは下記です。

http://www.e-tix.jp/unkei2017/

 

仁和寺展の割引きチケットの購入方法は?

[ad#ad-01]

前述の通り、チケット購入はオンラインチケットがおすすめですが、当日券と同じ値段です。

展覧会の会期前なら、当日券より200円ほど安い前売り券を購入することができますが、当然ながら展覧会の期間になると前売券は購入できません。

ですが、会期中でも金券ショップに行けば前売り券と同じぐらいの値段でチケットを購入できる場合があります。

会期終了が近付くほど、金券ショップのチケットが売り切れる可能性が高まるので、金券ショップでの購入を検討している場合は、その点は留意しておきましょう。

 

 

仁和寺展では限定御朱印が3種類頒布される!日付入れは時間限定

展示会場では仁和寺展限定の御朱印が頒布されています。

いただける種類は下記の3つ。

 

仁和寺展の限定御朱印の種類

  1. 阿弥陀如来
  2. 旧御室御所
  3. 千手観音

 

 

御朱印の日付入れは、日によっては時間帯が異なるようです。

 

 

仁和寺展の見どころは仏像!観音堂エリアは写真撮影可能

仁和寺展の見どころは仏像です!

仁和寺展では真言宗御室派の総本山・仁和寺と御室派に属する全国の寺院の仏像が多数展示されます。

密教の仏像は通常非公開の秘仏が多く、拝観する機会があまりない仏像も展示されます。

 

おすすめの仏像をいくつか紹介します。

仁和寺阿弥陀三尊像(国宝)

ツイート画像の左側の仏像が阿弥陀如来坐像。

 

仁和寺の創建期の本尊で、国宝に指定されています。

現在は仁和寺境内にある霊宝館に安置され、毎年春と秋の特別公開時に拝観可能。

 

阿弥陀如来坐像と両脇侍の勢至菩薩立像、観音菩薩立像で三尊形式をなしています。

平安時代前期888年の作ですが、平安中期~後期にかけて穏和になる仏像の形式につながっていくような柔らかい表現が印象的なほとけさま。

 

道明寺十一面観音菩薩立像(国宝)

道明寺(どうみょうじ)が所有する仏像。

通常非公開ですが、御開帳は毎月18日と25日に行われるので、秘仏としては比較的拝観しやすい像。

 

道明寺での公開時は、背面を見ることができませんが、仁和寺展では像を360度を観覧できます。

後ろ姿は女性のようで官能的。

 

カヤ材をビャクダンの代用材として用いた檀像様の美しい仏像です。

大阪府にある国宝仏像彫刻の一つです。

 

 

↓↓関連記事

 

龍寳寺釈迦如来立像(重要文化財)

龍寳寺(りゅうほうじ)は宮城県仙台市にある真言宗御室派の別格本山です。

国の重要文化財に指定されています。

 

龍寳寺の釈迦如来立像は京都の清涼寺(せいりょうじ)にある釈迦如来立像を模刻したいわゆる清涼寺式釈迦如来像です。

 

明通寺深沙大将立像と降三世明王立像(ともに重要文化財)

ツイート画像は深沙大将立像。

 

明通寺は福井県小浜市の寺院。

 

ツイート画像は降三世明王立像(部分)。

 

像高25cmを超える仁和寺展の展示品のなかでは最も大きな仏像です。

両像ともに通常拝観できますが、大きいので何度見ても圧倒されます。

 

 

 [ad#ad-02]

葛井寺千手観音坐像(国宝)

2月14日(水)から展示される仁和寺展の目玉となる展示作品。

ツイート画像の下の方の仏像が葛井寺(ふじいでら)の千手観音坐像。

 

葛井寺は大阪府藤井寺市にある寺院で、西国三十三所の札所として関西で著名な古刹です。

本尊の千手観音は通常非公開の秘仏ですが、毎月18日に御開帳が行われます。

 

千手観音像の腕は42本のみ造像されるのが一般的ですが、葛井寺の千手観音の腕は1041本あって、真数千手の代表的な作例として知られています。

 

正面から見ると脇手が像本体から伸びているように見えますが、実際は像後方の2本の支柱に打ちつけられており、本体と脇手は離れています。

葛井寺の御開帳では正面からしか拝めないので、個人的には後方から拝観できるのかどうかに注目しています。

(背面を観覧できるような展示の仕方がされるらしいので楽しみです!)

 

展示期間は2月14日~3月11日のみなので、本像を拝観したい方はご注意ください。

 

雲辺寺意輪観音坐像(重要文化財)

雲辺寺(うんぺんじ)は徳島県三好市の寺院で、四国八十八ヶ所の第66番札所。

四国八十八ヶ所のなかで最も標高が高い場所にある難所です。

 

重要文化財の千手観音坐像は秘仏。

2014年の四国八十八ヶ所霊場開創1200年の秘仏一斉公開の時に御開帳がありましたが、通常は開帳されることがないそうです。

そんな拝観する機会の少ない仏像が展示されます。

 

雲辺寺からはほかにも、毘沙門天像と不動明王像が出陳。

3体とも重要文化財で、秘仏です。

 

現在は別々のお堂に祀られているそうですが、もともとは三尊形式で安置されていたと推測されることから、仁和寺展では三尊形式で配置されています。

 

 

神呪寺如意輪観音坐像(重要文化財)

神呪寺(かんのうじ)は兵庫県西宮市の寺院。

 

その本尊にあたる如意輪観音坐像(重要文化財)は、大阪府河内長野市の観心寺如意輪観音坐像(国宝)、奈良県宇陀市の室生寺如意輪観音坐像(重要文化財)とともに「日本三如意輪」と称されることから関西にお住いの方は名前を聞いたことがある人も少なくないのではないでしょうか。

 

 

 

神呪寺如意輪観音坐像は変わった座り方が特徴的な仏像。

秘仏で毎年5月18日の1日だけしか開帳されません。

これまで観たことがない人やもう一度拝観したい人にとっても拝観する絶好のチャンスです。

 

 

中山寺馬頭観音坐像(重要文化財)

中山寺は福井県高浜町の青葉山の中腹にあり、馬頭観音はその本尊です。

通常は拝観できない秘仏。

 

御開帳が行われるのは、33年ごとに1度と、33年の中間年の年に行われる中開帳のタイミング。

毎年2月3日にも開帳されているようですが、豪雪の中、青葉山中腹に辿りつくのは困難なため拝観できるチャンスは少ないです。

 

近年は毎年秋に福井県の若狭小浜周辺では秘仏公開が行われており、中山寺の馬頭観音も公開されているので、比較的拝観しやすい秘仏になっています。

 

中山寺の秘仏・馬頭観音は、個人的には現存する日本最優の馬頭観音の作例だと思います。

洗練された作風は慶派の仏師によって手がけられたものと見られています。

かっこいいイケメン仏像!

中山寺の御開帳では間近で拝観できるわけではないので、博物館で見られるのはありがたいです。

 

 

仁和寺薬師如来坐像(国宝)

ツイート画像の左上の仏像。

 

台座を含めても高さ30cmほどしかありません。

平安時代後期の仏像らしい穏和な作風の像です。

この時代の仏像は体の厚みが薄いものが多いのですが、側面から見ると、意外に厚みがあって驚かされました。

 

小像ながら光背や台座のクオリティも高くてすばらしいです。

 

仁和寺の薬師如来坐像(国宝)は厳重な秘仏。

2017年の京都国立博物館の特別展「国宝」で、18年ぶり(?)に公開されました。

国宝彫刻の中で拝観の機会が少ない仏像トップ5に入る激レア仏像です。

 

京都国立博物館の国宝展で拝観していない人はチャンスです!

 

↓↓関連記事

 

 [ad#ad-03]

仁和寺観音堂 千手観音と二十八部衆

 

仁和寺観音堂には

  • 本尊の千手観音像(1体)
  • 脇侍の不動尊明王像・毘沙門天像(計2体)
  • 二十八部衆像(計28体)
  • 風神雷神像(計2体)

の合計33体の仏像が安置されています。

 

観音堂は通常非公開です。

過去に京都非公開文化財特別公開で公開されたことがありますが、内部を拝観する機会は稀にしかないお堂。

 

仁和寺展では観音堂で祀られる33体の仏像がすべて出陳されるだけでなく、観音堂の内部が再現されたうえで展示されています!

仁和寺観音堂のエリアは写真撮影が可能です。

 

観音堂の裏堂は特別公開時でも立ち入ることができませんでしたが、この部分も再現されています。

観音堂の内壁に描かれた仏画もスキャンして、忠実に再現されており、まるで本物のような空間が構築されています。