復元天守、復興天守、模擬天守の違いとは?天守の一覧も


お城で一番目立つもの、シンボルは何か?と問われたら天守と答える人が多いでしょう。

歴史好き、お城好きじゃない人の間でも天守の存在は広く認知されていますが、天守の種類は現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守と様々です。

現存天守の意味はわかるけど、それ以外の復元天守、復興天守、模擬天守の違いがよくわからない人も少なくないはずです。

この記事では、天守の種類とその分類に加えて、天守の一覧を掲載しています。

天守の種類

現存天守

現存天守は江戸時代以前から現在にわたって消失せずに現存している天守のことです。

姫路城や彦根城などが該当します。

近代以前にも天守は改修や修復が行われているので、現在の現存天守が天守が建てられた当初の時の姿を完全にとどめているわけではありません。

現存天守の数は12あることから「現存12天守」と総称されることもあります。

現存天守は12つすべてが、国が指定した重要文化財、あるいは国宝(重要文化財の中でも世界文化の見地から価値が高いと判断されたもの)に指定されています。

島根県の松江城が2016年に国宝指定されたことが話題になりました。

これで国宝の天守が5つ、重要文化財の天守が7つになりました。

復元天守

資料に基づいて再建された天守を復元天守と言います。

復元天守は文献・絵図・絵画資料・古写真・遺構などをもとにして復元されています。

復元天守は木造で復元された天守と鉄筋コンクリートなどで復元された天守にわかれます。

木造の復元天守は当時の工法・構法を用いて忠実に復元されています。

木造でない復元天守は外観のみが復元されています。

現存天守の数は現在12ですが、昭和の初期には20ありました。

1945年の空襲で名古屋城や和歌山城など7つの天守が焼失し、1949年に松前城が火災で焼失しました。

復元天守は1945年の空襲以降に消失した天守が多いです。

復興天守

かつて天守が存在したが、資料が乏しく、他の城の天守を参考にしたり、想像したりして再建された天守を復興天守と言います。

復興天守の条件の一つとして、かつて天守が存在していた場所に再建されていることも含まれて、この条件が満たされていない天守は、後述する模擬天守に分類されます。

大阪城、岐阜城、小田原城などが復興天守です。

模擬天守

模擬天守は以下のような天守のことを指します。

・そもそも城に天守が存在しなかった、あるいは存在していたか不明だが近現代に建てられた天守
・天守が存在していることは明らかだが、天守が以前あった場所とは別の場所に建てられた天守

お城の中には天守台があっても、天守が建てられることがなかった例もあるので、そうしたお城の天守台の上に建てられた天守も模擬天守に分類されます。

模擬天守の数は多いです。

天守の種類のまとめ

天守を分類する

・江戸時代以前の天守が現存している → 現存天守

現存天守ではない → 復元天守、復興天守、模擬天守のどれか

・資料にもとづいて再建されている天守 → 復元天守

・かつて天守が存在したが、資料が乏しいため以前の姿を再現できていない天守 → 復興天守

・かつて天守が存在しなったが、近現代になって建てられた天守 → 模擬天守
・あるいはかつて天守が存在したが、当時の天守が立っていた場所とは別の場所に建てられた天守 → 模擬天守

天守の一覧

現存天守の一覧

・丸岡城(重要文化財、福井県坂井市- 不明(1576年(天正4年)築説あり))
・彦根城(国宝、滋賀県彦根市- 1606年(慶長11年)築)
・松江城(国宝、島根県松江市- 1607年(慶長12年))
・姫路城(国宝、兵庫県姫路市- 1609年(慶長14年)改)
・犬山城(国宝、愛知県犬山市- 1601年(慶長6年)築 1620年(元和6年)改)
・松本城(国宝、長野県松本市-1597年(慶長2年)築 1633年(寛永10年)改)
・丸亀城(重要文化財、香川県丸亀市- 1660年(万治3年))
・宇和島城(重要文化財、愛媛県宇和島市- 1665年(寛文5年)再)
・備中松山城(重要文化財、岡山県高梁市- 1683年(天和3年)築)
・高知城(重要文化財、高知県高知市- 1747年(延享4年)再)
・弘前城(重要文化財、青森県弘前市- 1811年(文化8年))
・松山城(重要文化財、愛媛県松山市- 1602年(慶長7年)築 1853年(嘉永6年)再)

復元天守の一覧

資料に基づいて木造で復元された天守です。

・白河小峰城三重櫓(福島県白河市 1991年)
・掛川城天守(静岡県掛川市 1994年)
・白石城大櫓(宮城県白石市 1995年)
・新発田城三階櫓(新潟県新発田市 2004年)
・大洲城天守(愛媛県大洲市 2004年)

鉄筋コンクリートなどで復元された天守です。

・名古屋城(愛知県名古屋市 1957年)
・大垣城(岐阜県大垣市 1958年)
・広島城(広島県広島市 1958年)
・和歌山城(和歌山県和歌山市 1958年)
・松前城(北海道松前郡松前町 1960年)
・熊本城(熊本県熊本市 1960年)
・会津若松城(福島県会津若松市 1965年)
・岡山城(岡山県岡山市 1966年)
・福知山城(京都府福知山市 1986年)

復興天守の一覧

・大坂城(大阪府大阪市 1931年)
・岸和田城(大阪府岸和田市 1954年)
・岐阜城(岐阜県岐阜市 1956年)
・岡崎城(愛知県岡崎市 1959年)
・小倉城(福岡県北九州市 1959年)
・小田原城(神奈川県小田原市 1960年)
・岩国城(山口県岩国市 1962年
・島原城(長崎県島原市 1964年)
・福山城(広島県福山市 1966年)
・越前大野城(福井県大野市 1968年)
・高島城(長野県諏訪市 1970年)
・忍城(埼玉県行田市 1988年)
・長浜城(滋賀県長浜市 1985年)
・高田城(新潟県上越市 1994年)

模擬天守の一覧

・洲本城(兵庫県洲本市 1928年)
・郡上八幡城(岐阜県郡上市 1933年)
・伊賀上野城(三重県上野市 1935年)
・富山城(富山県富山市 1954年)
・吉田城(愛知県豊橋市 1954年)
・浜松城(静岡県浜松市 1958年)
・平戸城(長崎県平戸市 1962年)
・中津城(大分県中津市 1964年)
・伏見桃山城(京都府京都市 1964年)
・横手城(秋田県横手市 1965年)
・撫養城(徳島県鳴門市 1965年)
・唐津城(佐賀県唐津市 1966年)
・三戸城(青森県三戸町 1967年)
・小牧城(愛知県小牧市 1968年)
・杵築城(大分県杵築市 1970年)
・天神山城(埼玉県秩父郡長瀞町 1970年)
・神岡城(岐阜県飛騨市 1970年)
・涌谷城(宮城県遠田郡涌谷町 1973年)
・中村城(高知県四万十市 1973年)
・大多喜城(千葉県夷隅郡大多喜町 1975年)
・騎西城(埼玉県加須市 1975年)
・日和佐城(徳島県海部郡美波町 1978年)
・久留里城(千葉県君津市 1979年)
・江美城(鳥取県日野郡江府町 1978年)
・今治城(愛媛県今治市 1980年)
・川島城(徳島県吉野川市 1981年)
・上山城(山形県上山市 1982年)
・館山城(千葉県館山市 1982年)
・因島水軍城(広島県尾道市 1983年)
・五城目城(秋田県南秋田郡五城目町 1984年)
・綾城(宮崎県東諸県郡綾町 1985年)
・川之江城(愛媛県四国中央市 1986年)
・山方城(茨城県常陸大宮市 1987年)
・小山城(静岡県榛原郡吉田町 1987年)
・岩崎城(愛知県日進市 1987年)
・茶臼山城(岡山県赤磐市 1988年)
・稲庭城(秋田県湯沢市 1989年)
・清洲城(愛知県清須市 1989年)
・羽衣石城(鳥取県東伯郡湯梨浜町 1990年 前身となる建物は1928年。)
・墨俣城(岐阜県大垣市 1991年)
・月山日和城(宮崎県都城市 1992年)
・天ヶ城(宮崎県宮崎市 1993年)
・関宿城(千葉県野田市 1995年)
・一郷山城(群馬県多野郡吉井町)
・久保田城(秋田県秋田市)
・小倉山城(岐阜県美濃市)
・常盤城(福島県田村市)
・逆井城(茨城県坂東市)
・竜泉寺城(愛知県名古屋市)
・旭城(愛知県尾張旭市)
・湯浅城(和歌山県有田郡湯浅町)


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