若草山の山焼きは、奈良の初春の風物詩。
山焼きの直前には冬には珍しい花火の打ち上げも行われます。
開催当日は約10万人の人出となり、混雑するイベントですが、見学できるスポットが多数あるので大丈夫!
若草山焼きの開催概要やおすすめ見学スポット、交通規制の情報などを紹介。
奈良の若草山の山焼き2018年の日程や開催時間は?天候によっては延期や中止もあり
奈良の若草山焼きは、毎年1月の第4土曜日に実施されます。
2018年の日程は1月27日(土)。
山焼きの直前には花火が打ち上げられます。
山焼きの点火ができない場合は、1月28日(日)に延期。
大花火は荒天時や異常乾燥時は中止される場合もあります。
山焼きが予定通りに実施される場合も、直前に雨天が続き、芝が湿っている状態だと燃え広がる炎がきれいに見えません。
より美しく山焼きを見られるかどうかは、開催前の天候にもかかっているのです。
若草山焼きの当日は、花火や山焼き以外にも、日中から様々な行事・イベントが催されます
2018年の若草山焼き当日のタイムスケジュール
- 12:00~14:30 鹿せんべい飛ばし大会
- 13:00~19:00 三社寺(春日大社・興福寺・東大寺)にゆかりのある温食
- 15:45~16:30、18:30~19:00 音楽奉納
以下は若草山焼き行事
- 16:45 御神火奉戴祭
- 17:05 聖火行列出発
- 17:15 松明点火
- 17:40 野上神社祭典
- 18:15 大花火打ち上げ
- 18:30 山焼き一斉点火
上記のなかでおすすめなのは、やはり18時15分からの「大花火打ち上げ」と18時30分からの「山焼き一斉点火」です。
若草山の山焼きとは?歴史を簡単に説明
山焼きには、病害虫を駆除すること。
そしてその灰を肥料にするという実利的な目的で実施されることがありますが、若草山焼きの由来は、はっきりとしていません。
現在も若草山の近くにある東大寺と興福寺の領地争いや、若草山の山頂にある鶯塚古墳の鎮魂などが山焼きのルーツという説もありますが、真相は不明瞭。
確実に言えることは、若草山焼きが現在のように夜間に行われる正式な行事となったのは、1900年(明治33年)ということ。
2月11日は初代天皇・神武天皇が即位したとされる「紀元節の日」ということで、はじめはこの日に山焼きが行われていましたが、1950年(昭和25年)から、かつての成人の日にあたる1月15日に変更されました。
その成人の日が、2000年(平成12年)に第2月曜日に変わったので、山焼きはその前日の日曜日に実施されるようになりました。
2008年まではそうして実施され続けたものの、以前より開催時期が早まったことで、若草山の枯草の枯れ方が不十分になり、山焼きの際に燃えにくくなりました。
また、消防出初式に近くなる年もあって、1月の第3土曜日に変更することになりました。
ところが、山焼き前の花火の打ち上げが、大学入試センター試験の英語のリスニングの時間帯と重なるということが問題になりました。
さらに1週間開催日を遅くして、2009年以降、1月第4土曜日に実施する現行のかたちに落ち着いています。
ところで、奈良公園には鹿がたくさんいることは知られていますが、若草山にも鹿はいます。
山焼きの時に火が燃え広がるけど、鹿は大丈夫なの?
と鹿の安全面が気になりますが、野生に近い状態で生育している奈良公園の鹿は、花火や炎の音を怖がるため、逃げ遅れることはないようです。
山焼き直前の花火は、山焼き開始の合図の意味合いで200発程度が打ち上げられていました。
2017年は、600発の花火が打ち上げられていたため、2018年も同程度の打ち上げが期待できるかもしれません。
若草山焼きは混雑するけど見学スポットが多いから問題なし!おすすめスポットや穴場はどこ?
若草山焼き見学スポットをまとめた地図はこれ!
下記の場所にマップピンを立てています。
- 若草山
- 奈良春日野国際フォーラム(奈良県新公会堂)
- 春日野園地
- 飛火野
- 高円山
- 平城宮跡
- 大池(勝間田池)
- 奈良県庁
【若草山の麓】での見学は大迫力
なるべく近くで見たいなら若草山の麓でみるのがおすすめ。
もちろん安全のために、ある程度までしか近づけません。
斜面で見ることになりますが、花火も山焼きからも近いので最も迫力を感じられるでしょう。
近くには特設ステージが置かれて、イベントを見ることができるのも良いところ。
奈良公園にもおすすめスポットがいくつかあるので紹介します。
【奈良公園(奈良春日野国際フォーラム・春日野園地・飛火野)】は初めての人におすすめ
奈良公園も若草山から近いので、花火や山焼きがよく見えます。
若草山焼きの人出は約10万人といわれています。
混雑するイベントではありますが、奈良公園は広いので、人出があってもそこそこスペースに余裕を持って見学することができます。
【高円山】は2回目以降の人に良い場所
高円山といえば、奈良の送り火(大文字)が行われる場所ですが、若草山焼きの見学におすすめです。
ご紹介するほかのおすすめ見学スポットは、若草山から見て西側にある場所ばかりですが、高円山は若草山の南側に位置します。
若草山より標高が高いので、山焼きを見下ろすことができるのも、他の場所との違いです。
はじめて見る場合は、若草山の麓や奈良公園からの見学をおすすめしたいので、高円山は若草山焼きを見たことがある人向けの場所です。
【平城宮跡】は大立山まつりと一緒に楽しめる
少し離れた場所だと、平城宮跡からの見学がおすすめです。
平城宮跡は広い平地なので見学に適しています。
特に、跡地の南側にある朱雀門(すざくもん)が人気の見学スポット。
朱雀門と花火・山焼きが一緒に写る場所からの写真撮影が人気になっています。
人気であるがゆえに混雑しやすいので、写真撮影にこだわらないのであれば、朱雀門から離れた場所にいくと、混み具合がマシになります。
若草山焼きが開催日である2018年1月27日(土)は、平城宮跡では「大立山(おおたてやま)まつり」というイベントの開催期間と重なっています。
大立山まつりを楽しみながら、打ち上げ花火と若草山焼きも観覧できる点でもおすすめの場所です。
【大池(勝間田池)】は薬師寺東塔が工事中だからこそ穴場とも言える
大池は薬師寺の境内から南西の方角にある池です。
池の向こうに薬師寺の2つの三重塔(東塔と西塔)が見えるので、普段から画になる写真撮影スポットなのですが、若草山焼き当日は、そこに花火や山焼きの光景が加わるのでさらに美しい。
ところが、薬師寺の東塔は2020年まで改修が行われており、工事のための覆いが塔全体にかけられています。
そのため、写真を撮影の際に塔の覆いが気になってしまうでしょう。
その分、見学者が減るので、撮影にこだわらなければ、穴場と言えるかもしれません。
【奈良県庁屋上】での観覧は事前予約が必要
若草山焼き当日は、奈良県庁の屋上が開放されます。
奈良県庁は若草山から近い場所にあり、周辺には高さのある建物がないので、山焼きやその前の花火を見学するのに適しています。
ですが、屋上のスペースの都合上、人数制限をせざるを得ません。
そこで例年、屋上での観覧希望者を事前予約で受け付けています。
参考までに、2018年1月27日(土)開催の若草山焼きの奈良県庁屋上での予約の受付情報は、開催日より3ヶ月ほど前の2017年10月31日(水)に報道され、締め切りは開催日より約2ヶ月前の2017年12月4日(月)でした。
応募方法は往復はがきのみ。
募集人数は250名。
先着で予約が確定するわけではなく、応募者多数の場合は抽選が行われます。
若草山焼き開催当日の奈良県庁屋上の入場時間は、午後5時45分~花火の打ち上げが始まる午後6時15分。
終了時間は、山焼きの点火時間の45分後の午後7時15分。
2018年開催分の募集は終わってしまいましたが、来年(2019年)は奈良県庁の屋上で花火や山焼きを見てみたいという場合、予約受付がはじまるであろう2018年11月以降の奈良県庁の公式情報を逃さないようにしましょう。
参考:2018年1月27日開催の若草山焼き 奈良県庁屋上開放についての報道資料(PDF)
若草山焼き開催当日の交通規制の範囲は?
若草山焼き当日は、多数の観光客が奈良公園周辺に訪れるため、現地は混雑します。
近隣の道路では交通規制や時間帯によっては駐停車が禁止される場所があります。
下記のリンクに交通規制の範囲や規制内容の詳細が書かれています。
2018年1月27日開催の若草山焼き 交通規制のお知らせ(PDF)