興福寺五重塔は奈良公園のランドマークのような存在です。
しかし通常は内部が非公開のためどうなっているか気になる方もいるでしょう。
また五重塔が開扉される特別公開の期間や頻度、次に特別公開が実施される期間についても触れています。
奈良・興福寺五重塔の初層内部の仏像配置は?
興福寺五重塔の中央には心柱があり、塔の初層では心柱の四方を囲むように四仏が配置されています。
顕教における仏を曼荼羅風に配置したもののようです。
五重塔初層では下記のように、仏像が配置されています。
- 北:弥勒三尊像
- 東:薬師三尊像
- 南:釈迦三尊像
- 西:阿弥陀三尊像
北:弥勒三尊像
- 大妙相菩薩坐像
- 弥勒如来坐像
- 法苑林菩薩坐像
東:薬師三尊像
- 月光菩薩坐像
- 薬師如来坐像
- 日光菩薩坐像
南:釈迦三尊像
- 普賢菩薩坐像
- 釈迦如来坐像
- 文殊菩薩坐像
西:阿弥陀三尊像
- 勢至菩薩坐像
- 阿弥陀如来坐像
- 観音菩薩坐像
興福寺五重塔の特別公開の日程や内容は?
興福寺五重塔は不定期で特別公開が実施されます。
特別公開の際は初層が開扉され、拝観者は内部に立ち入って心柱や四仏を拝観することができます。
2008年に五重塔の特別公開が実施された期間をわかる範囲でまとめました。
- 2008年10月18日~11月24日:南円堂も同時公開
- 2010年10月9日~11月23日:東金堂後堂も同時公開)
- 2013年1月12月~2月24日:奈良 うまし冬めぐり
- 2016年8月26日~10月10日:三重塔と初の同時公開
上記以外にも特別公開された期間があるかもしれません。
興福寺は毎年、境内のどこかしらの建造物や仏像の特別公開を行っていますが、
五重塔の初層の特別開扉は毎年実施されているわけではなく、今のところ2~3年に一度、実施される傾向があると言えます。
季節で言うと秋季が多いです。
2008年10月18日~11月24日の特別公開では、毎年10月17日にしか御開帳が行われない南円堂の特別公開も同時に行われました。
2010年10月9日~11月23日の特別公開では東金堂の後堂の特別公開が同時に行われました。
東金堂の後堂に安置されている仏像については下記の記事の中で触れています。
興福寺東金堂の仏像一覧!十二神将や維摩居士・文殊菩薩など国宝多数
2013年1月12月~2月24日の特別公開は「奈良 うまし冬めぐり」の特別拝観のひとつとして実施されました。
2016年8月26日~10月10日の特別公開では、五重塔と三重塔それぞれの初層がはじめて初の同時に開扉されるという特別拝観でした。
2017年の興福寺の特別公開は、仮講堂(旧仮金堂)での仏像公開なので、五重塔の特別公開はないようです。
参考:興福寺阿修羅像が2017年は仮金堂で特別公開!期間と展示仏像一覧は?
今の傾向だと、2018年か2019年に次の五重塔の特別公開が実施される可能性が高いです。
興福寺五重塔の特別公開の拝観ルートは?
特別公開で拝観できるのは初層目のみで、二層目以上に登ることはできません。
私が過去に五重塔の初層を特別拝観した時は、初層西側の扉から塔の内部に入り、まず阿弥陀三尊像を拝観。
その後、北の弥勒三尊像、東の薬師三尊像、最後に南の釈迦三尊像を拝観し、南側の扉から塔の外部に出るという拝観ルートでした。
奈良公園にある興福寺は比較的参拝者が多い寺院です。
五重塔の開扉は期間を制限した特別公開なので、その時期はいつもより混雑します。
さらに五重塔の内部はそれほど広くないため、同時に入ることができる人数が物理的に限られてしまいます。
そのため拝観者が特に多い土日の昼過ぎは、五重塔の前に待ち行列ができます。
平日でも行列ができる時があるようです。
行列の先頭にいるある程度の人数を一つグループとしてまとめて塔の内部に誘導し、そのグループが拝観を終えて塔の外に出たら、次のグループが内部に誘導されるという形式で特別拝観が実施されました。
五重塔の初層の拝観所要時間は数分程度なので、待ち行列ができていれば待ち時間の方が長い場合がほとんどでしょう。
まとめ
- 五重塔の初層の内部では中央の心柱を囲むように四仏が配置されている
- 五重塔の特別公開は2~3年ごとに実施される傾向にあり、時期は秋が多い
- 五重塔の内部で拝観できるのは初層のみで二層目以上には登れない
- 次に五重塔の特別公開が実施されるのは2018年か2019年の秋の可能性が高い