2017年の春から冬にかけて、東京・大阪・山口の3ヶ所の美術館で「奈良西大寺展」が開催されます。
西大寺は奈良市にある寺院で、その寺名は奈良の大仏で有名な東大寺の対になっています。
この記事では展覧会の期間や展示作品について記載しています。
奈良西大寺展とは?
「奈良西大寺展 叡尊(えいそん)と一門の名宝」は西大寺の創建1250年を記念して開催される展覧会です。
創建1250年にあたる年は、正確には2015年なのですが、お寺の節目の年を越えたことを記念して西大寺に伝わる文化財がまとめて公開されます。
西大寺展の展覧会名に含まれている「叡尊」というのは、鎌倉時代の僧の名前です。
西大寺は奈良時代に、ならの大仏を造像した聖武天皇の娘にあたる称徳天皇(しょうとくてんのう)によって創建されましたが、平安時代に衰退しました。
荒廃した西大寺を鎌倉時代に建てなおしたのが叡尊です。
そのことから叡尊は、西大寺の中興の祖と呼ばれています。
叡尊の後の世代の西大寺出身の僧たちも活躍し、それらの僧にまつわる文化財も現存しています。
西大寺展では、叡尊や後世の西大寺の僧にゆかりある名宝が展示されます。
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西大寺展の開催場所と期間
奈良西大寺展は東京・大阪・山口にある美術館を順番に巡回して開催されます。
会場となる美術館と期間を掲載します。
まずは、東京の会場です。
東京会場:三井記念美術館
所在地:〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2−1−1
期間:2017年4月15日(土)~6月11日(日)
次いで、大阪の会場です。
大阪会場:あべのハルカス美術館
所在地:〒545-6016 大阪府大阪市 阿倍野区阿倍野筋1丁目1-43 あべのハルカス16階
期間:2017年7月29日(土)~9月24日(日)
あべのハルカスは、内部に百貨店・ホテル・オフィスなどがある複合的な建造物です。
あべのハルカス美術館は、あべのハルカスの16階にあります。
最後に、山口の会場です。
山口会場:山口県立美術館
所在地:〒753-0089 山口県山口市亀山町3−1
期間:2017年10月20日(金)~12月10日(日)
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展示作品
奈良西大寺展の展示作品をわかる範囲で紹介します。
展示される作品は東京・大阪・山口のそれぞれの会場で異なっていて、3ヶ所の会場で展示されないものもあります。
興正菩薩坐像 国宝、奈良・西大寺所蔵(展示会場:東京・大阪・山口)
吉祥天立像 重要文化財 京都・浄瑠璃寺所蔵(展示会場:東京・大阪)
文殊菩薩四侍者像(渡海文殊) 重要文化財 奈良・西大寺所蔵(展示会場:東京・山口)
釈迦如来立像(清涼寺式釈迦如来) 重要文化財 奈良・西大寺所蔵(展示会場:大阪・山口)
愛染明王坐像 重要文化財 奈良・西大寺所蔵(展示会場:東京・大阪・山口)
塔本四仏坐像如来の阿弥陀如来 重要文化財 奈良・西大寺所蔵(展示会場:東京・大阪)
塔本四仏坐像如来の釈迦如来 重要文化財 奈良・西大寺所蔵(展示会場:東京・大阪)
塔本四仏坐像如来の阿閦如来 重要文化財 奈良・西大寺所蔵(展示会場:大阪・山口)
塔本四仏坐像如来の宝生如来 重要文化財 奈良・西大寺所蔵(展示会場:大阪・山口)
聖徳太子立像(孝養像) 重要文化財 奈良・元興寺所蔵(展示会場:不詳)
五大明王像(厨子入) 重要文化財 奈良・宝山寺所蔵(展示会場:不詳)
文殊菩薩騎獅像 重要文化財 奈良・般若寺所蔵(展示会場:不詳)
西大寺展の目玉となる展示作品は、西大寺の興正菩薩坐像ではないでしょうか?!
興正菩薩坐像は西大寺の中興の祖である叡尊をリアルに3D化した鎌倉時代の彫刻です。
2016年に国宝指定されたばかりの彫刻です。
浄瑠璃寺の吉祥天立像は、浄瑠璃寺で特別公開(御開帳)される時は厨子に納められている状態で公開されるので、像の前面以外はあまり見えません。
西大寺展では、様々な角度から見ることができそうで期待できます!
仏像が出陳される展覧会では運慶や快慶の以下の展覧会も楽しみです。
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