奈良の東大寺はとても広く、境内の隅から隅までを巡る人は少ないでしょう。
当記事では東大寺にはじめて行く人におすすめしたいものという基準で、筆者の独断と偏見によって東大寺の見所を10つピックアップしてランキング形式で紹介しています。
上位になるほど予測がつきやすいので、1位からカウントアップ方式で記載しています。
奈良・東大寺の見どころ
第1位 国宝彫刻で最大の仏像
「ならの大仏」として知られる盧舎那仏(るじゃなぶつ)像です。
像高(座高)約15mの堂々たる姿は圧巻です。
写真撮影が許されない仏像が多い中、ならの大仏は写真撮影OKなところも観光者目線では嬉しいところ。
第2位 世界最大級の木造建築
「ならの大仏」が祀られている大仏殿(金堂)です。
大仏を安置するほどの仏堂なので、建物自体もとても大きく見応えがあります。
木造の建築物としては世界最大級。
「柱の穴くぐり」ができるのも大仏殿です。
第3位 国内最大の山門
東大寺の玄関のような存在が南大門です。
広すぎる東大寺には境内を囲む塀がないので、境内入口は一つだけではないのですが、多くの参拝者が東大寺で一番初めに目にする建築が南大門です。
大きな迫力があり、広い東大寺の門として相応しいです。
外観に目を奪われがちですが、天井を見上げるのもおすすめです。
第4位 運慶快慶一門の代表作
南大門の両脇に安置されている一対の仁王像(金剛力士像)です。
仏師としては日本一の知名度を誇るであろう運慶(うんけい)、快慶(かいけい)の一門によって造像されました。
東大寺の玄関にあたる南大門で警備をする役割があるため、筋肉隆々の肉体派の姿をしています。
約8mある仁王像は遠目から見ると短足に見えますが、これは下から見上げた時に迫力を感じさせるためです。
近づいて見上げてみましょう。
第5位 修二会や舞台造りで有名なお堂
東大寺境内の東側にある二月堂(にがつどう)です。
二月堂は修二会(しゅにえ)の行事で知られる仏堂ですが、高台にあるため普段もお堂の正面にある舞台からの眺望を楽しむことができます。
舞台には24時間立ち入れるので、夜の参拝もおすすめ。
第6位 日本三大梵鐘の一つ
大きな梵鐘が釣られている鐘楼です。
高さ385㎝、口径271㎝の大きな東大寺の鐘は、京都・方広寺、京都・知恩院の大鐘とともに日本三大梵鐘の一つに数えられています。
鐘の真下に行けるので、その大きさを実感することができます。
普段は鐘を突くことはできませんが、大晦日の夜は一般の参拝者も鐘をつくチャンスがあります。
第7位 東大寺の博物館
東大寺に伝わる宝物を展示公開する東大寺ミュージアムです。
仏像、絵画、工芸、書跡、考古などさまざまなジャンルの文化財が展示されています。
レストランとミュージアムショップも併設されているので、ランチやグッズ購入も楽しめます。
第8位 天平時代の塑像の傑作
東大寺戒壇堂(かいだんどう)に安置されている四天王像です。
奈良時代に、粘土で成形された仏像(塑像:そぞう)です。
動きの少ないポーズをしていますが、表情の表現は繊細で四天王像の一番の見所と言えるでしょう。
天平時代(奈良時代)の塑像の傑作と呼ばれています。
第9位 二つの時代が併存する仏堂
東大寺の法華堂(三月堂)です。
法華堂は東大寺境内の中でも最も古い建築のひとつです。
もともとは仏像を祀るための正堂(しょうどう)と礼拝するための礼堂(らいどう)が軒を連ねて建っていましたが、鎌倉時代に礼堂を改築して正堂と繋げました。
正堂は奈良時代の建築で、礼堂は鎌倉時代の建築ですが、異なる時代の建築が見事に調和しています。
正堂と礼堂の接合部分に、もとは二つの建築であった名残が見られます。
第10位 天平時代の乾漆仏像群
法華堂(三月堂)内部で祀られている仏像群です。
法華堂の本尊・不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)像とその周囲に配置される梵天像、帝釈天像、2体の金剛力士像、4体の四天王像はすべて3~4m級の巨大な仏像です。
すべて奈良時代に造像された仏像で、興福寺の阿修羅像と同じ脱活乾漆造(だっかつかんしつづくり)という技法で造られているため像の内部は空洞です。
大仏殿と比較すると参拝者が少ないのでゆったりとすることができます。