京都非公開文化財特別公開は毎年春と秋に神社仏閣をはじめとした歴史的なスポットで文化財の特別公開が実施されるイベントです。頻繁に特別公開が行われるところもあれば、珍しいところもあります。2017年秋の京都非公開文化財特別公開のおすすめのスポットを紹介します。
京都非公開文化財特別公開2017年秋期の開催概要
期間
- 2017年(平成29年)11月1日(水)~11月12日(日)
基本的には上記の期間なのですが、下記のように例外もありますのでご注意くださします。
公開期間が異なるスポット一覧
※「清浄華院」の公開期間は11月1日(水)から5日(日)
※「廬山寺」は11月3日(金・祝)正午以降拝観休止
※「冷泉家」の公開期間は11月2日(木)から5日(日)
※「法然院」の公開期間は11月1日(水)から7日(火)
※「泉涌寺 本坊」は11月4日(土)拝観休止
※「東寺 講堂・五重塔」の公開期間は10月28日(土)から11月12日(日)
※「西念寺」の公開期間は11月1日(水)から11日(土)
※「海住山寺」、「現光寺」の公開期間は10月28日(土)から11月12日(日)
拝観時間
- 午前9時00分~午後4時00分(受付終了)
午後4時00分までに拝観受付を済ませれば、午後4時20分~30分頃までは拝観できます。
拝観料
- 大人 :800円
- 中高生:400円
上記は一か所あたりの拝観料です。
※「泉涌寺 本坊」は別途入山料(500円)が必要です。
特別公開場所の一覧
公式サイトのPDFファイルはこちらから↓ダウンロードできます。
下記に特別公開が実施される場所、拝観できるところ、所在地の一覧を掲載します。
赤字で記載したものは京都非公開文化財特別公開では初公開です。
(京都非公開文化財特別公開以外の特別公開や事前に拝観予約すれば拝観できるところも赤字で示しています。)
上賀茂神社(かみがもじんじゃ)
- 本殿《国宝》、権殿(ごんでん)《国宝》、高倉殿(たかくらでん)《重文》、他
京都市北区上賀茂本山
北野天満宮(きたのてんまんぐう)
- 北野天神縁起絵巻 承久本《国宝》、弁慶昌俊図絵馬《重文》、鬼切丸(別名 鬚切)《重文》、太刀・刀・脇差など多数
京都市上京区馬喰町
大将軍八神社(だいしょうぐんはちじんじゃ)
- 方徳殿にて御神宝の公開、大将軍像《重文》、渋川春海製作「天球儀」など古天文暦道関係資料、他
京都市上京区一条通御前西入西町
報土寺(ほうどじ)
- 本堂《重文》、阿弥陀如来立像《重文》、他
京都市上京区仁和寺街道六軒町
冷泉家(れいぜいけ)
- 冷泉家住宅《重文》、「東方朔」・「群亀」図衝立(原在中:はらざいちゅう・原在明:はらざいめい筆)、文箱(ふばこ)など(江戸時代)
京都市上京区今出川通烏丸東入
清浄華院(しょうじょうけいん)
- 大殿(だいでん 御影堂:みえいどう のこと)、是心堂(ぜしんどう)、大方丈(おおほうじょう)、泣
不動縁起絵巻(なきふどうえんぎえまき 永納本)、宝冠釈迦如来像、他
京都市上京区寺町通広小路上る北之辺町
廬山寺(ろざんじ)
- 元三大師坐像(がんざんだいしざぞう) 、お前立鬼大師坐像(おまえだちおにだいしざぞう)、御本尊阿弥陀如来及両脇侍坐像《重文》、源氏庭(げんじてい)、後醍醐天皇像、後陽成天皇像、他
下鴨神社(しもがもじんじゃ)
- 東西本殿(とうざいほんでん)《国宝》、三井神社(みついじんじゃ)《重文》、大炊殿(おおいどの)《重文》、神服殿(しんぷくでん)《重文》、他
左京区下鴨泉川町
法然院(ほうねんいん)
- 本堂、御本尊阿弥陀如来坐像、狩野孝信(かのうたかのぶ)筆襖絵《重文》、堂本印象(どうもといんしょう)筆新襖絵、庭園、他
京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町
知恩院三門
- 三門《国宝》二層内部、釈迦牟尼坐像(しゃかむにざぞう)《重文》、十六羅漢像(じゅうろうくらかんぞう)《重文》、狩野派筆天井画、他
京都市東山区林下町
霊源院(れいげんいん)【建仁寺塔頭】
- 中巖円月坐像(ちゅうがんえんげつざぞう)《重文》、毘沙門天立像(びしゃもんてんりゅうぞう)
《府登録》、 一休朱太刀像(いっきゅうしゅだちぞう)、甘露庭、茶室「妙喜庵」、他
京都市東山区小松町
泉涌寺(せんにゅうじ)本坊
- 霊明殿(れいめいでん)、御座所(ござしょ)、海会堂(かいえどう)(御所の御黒戸・仏間)、庭園、狩野孝信筆「後陽成天皇像」《重文》、他
京都市東山区泉涌寺山内町
法性寺(ほっしょうじ)
- 本尊千手観音立像《国宝》、他
京都市東山区本町
東寺(とうじ)
- 講堂(こうどう)・五 重 塔(ごじゅうのとう)、講堂《重文》:内部を周回できます、 五重塔《国宝》初層内陣
京都市南区九条町
石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)
- 御本殿《国宝》、御社殿《国宝》、織田信長寄進「黄金の樋(とい)」・左甚五郎(ひだりじんごろう)作「目貫(めぬき)の猿」、他
八幡市八幡高坊
正法寺(しょうぼうじ)
- 本堂《重文》、大方丈《重文》、阿弥陀如来坐像《重文》、絹本著色如来像《重文》、他
八幡市八幡清水井
松花堂庭園(しょうかどうていえん)・美術館
- 草庵「松花堂」《府指定》、 泉坊書院(いずみのぼうしょいん)、茶室「松隠」「竹隠」「梅隠」、美術館にて「雪景山水図襖」(伝狩野山雪筆)
八幡市八幡女郎花
酬恩庵(しゅうおんあん 一休寺)
- 浴室(よくしつ)《重文》、虎丘庵 こきゅうあん《府指定》、虎丘庭園(こきゅうていえん)《名勝》、他
京田辺市薪里ノ内
常念寺(じょうねんじ)(精華町)
- 御本尊阿弥陀如来立像、菩薩形立像(ぼさつけいりゅうぞう)《重文》、十二神将像、九重石塔、他
相楽郡精華町祝園神木段
大智寺(だいちじ)
- 初公開 御本尊文殊菩薩半跏像《重文》、十一面観音立像《重文》、扁額(隠元筆)、本堂・鐘楼堂・山門等《府登録》、他
木津川市木津町木津雲村
西念寺(さいねんじ)
- 御本尊阿弥陀如来坐像、裏堂阿弥陀如来坐像、薬師如来坐像《府指定》、脇侍日光月光菩薩立像《府登録》、他
木津川市鹿背山鹿曲田
海住山寺(かいじゅうせんじ)
- 五重塔内陣《国宝》、奥の院本尊十一面観音立像《重文》、法華経曼荼羅図《重文》、青白磁(南宋時代)、他
木津川市加茂町例幣海住山
現光寺(げんこうじ)
- 十一面観音坐像《重文》、四天王像
木津川市加茂町北山ノ上
常念寺(じょうねんじ)(木津川市)
- 本堂、御本尊阿弥陀三尊像、地蔵菩薩半跏像(藤原時代)、十一面観世音菩薩立像、釈迦三尊像、薬師三尊像、他
木津川市加茂町里小田
おすすめの特別拝観はどれ?
京都非公開文化財特別公開は毎回1ヶ所当たり800円ですが、何ヶ所も回ろうと思うと高いですよね。
「3ヶ所拝観すれば割引き!」という料金設定であればよいのですが、残念ながらないのです。
特別公開される場所がたくさんありますが、おすすめはどこなのでしょうか。
京都非公開文化財特別公開は、
- 普段から拝観できる寺社などで、通常非公開の文化財が公開される
- 普段から拝観できる寺社などで、通常非公開の建造物内が公開され、内部に立ち入って拝観できる
- 通常非公開の寺社が公開される
などのパターンがあり、特別公開が実施されるスポットによってそれぞれ異なります。
また公開頻度ですが、京都非公開文化財特別公開が実施される度に公開されるところもあれば、そうでないところもあります。
毎回、特別公開されるところでもおすすめがあります。
個人的な意見になりますが、知恩院三門がおすすめです。
はじめて三門の前に立った時は、門の大きさに驚かされました!
京都には知恩院の三門よりも大きな三門がある寺院もあるのですが、知恩院のものは拝観者が一番に目にする場所にあるため存在感が大きいのです。
三門の脇には階段があり、そこから楼上に上ることができます。
階段はとても急なので、注意してください。
女性はスカートは厳禁ですよ。
楼上の中央には宝冠釈迦如来像が安置されています。
如来でありながら、冠やその他の装飾品をつけている釈迦像です。
楼上から京都市内を眺めることもできます。
知恩院には庭園もありますので、拝観料は別料金ですが、よければ合わせていくのも良いでしょう。
三門は、京都非公開文化財特別公開で頻繁に公開されていますが、行ったことがない方にはおすすめします。
また、頻繁に特別公開が実施されるところでは東寺もおすすめです。
東寺では五重塔が公開されます。
塔の初層の内部に立ち入って、五重塔の心柱の周囲に配置される仏像や四方の壁に描かれた仏画を拝観できます。
二層目以上に上れるわけではありませんが、行ったことがないなら一度行くことをおすすめします。
さらに、2017年秋の京都非公開文化財特別公開の東寺では、五重塔だけでなく講堂でも特別拝観が実施されます。
講堂は通年拝観することができるお堂ですが、今回は内部を周回できるのです。
講堂は立体曼荼羅(りったいまんだら)で有名です。
立体曼荼羅は、仏の世界を平面(絵)で表現した曼荼羅を立体(仏像)で再現したもの。
19体の仏像が講堂内に配置されています。
そのうちの15体が国宝、残りの6体が重要文化財に指定されています。
イケメン仏像として人気が高い国宝・帝釈天像も立体曼荼羅の一員です。
周回できるということなので、通常は正面や斜め前方からしか拝観できない立体曼荼羅の後方にも回れるということでしょう。
私は仏像を拝観する機会が比較的多いので、仏像の特別公開についてコメントすることが多いというのもありますが、東寺の立体曼荼羅の特別拝観もおすすめです。
公開頻度が多いものではなく、2018年秋の京都非公開文化財特別公開で特におすすめなのが、法性寺です。
また仏像を推しますが、法性寺では国宝・千手観音立像が公開されます。
この千手観音立像は通常公開で、2012年に公開されましたがそれ以来はずっと公開されることがなく、今回は5年ぶりに拝観できることとなります。
次回の公開時期は不定なので、特に仏像に興味をお持ちの方は拝観することを強くおすすめします。
純粋に公開頻度が少なくて珍しいのは、報土寺でしょうか。
京都の寺社は、たくさん巡ったことがあるから行ったことがないところが良いという場合は、報土に行くのが良いでしょう。
また、泉涌寺の霊明殿の公開も珍しいです。
木津川市の寺院で、京都非公開文化財特別公開では初公開のところが多いですが、木津川市では例年秋に寺院の特別公開が実施されています
双方の特別公開の時期が近いから2017年秋は時期を合わせたというところでしょうか。
木津川市は京都府の南側、奈良県の近くにあるので、京都市より奈良市の方が近いですね。
奈良観光と合わせて行くのも良いかもしれません。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。