仁和寺の国宝の秘仏・薬師如来坐像が2017年に京都国立博物館で公開されます。
京都仁和寺の国宝薬師如来坐像とは?
仁和寺 薬師如来坐像
- 員数:1躯
- 文化財指定:国宝
- 時代・年代:1103年
- 素材・技法:木造(白檀)、素地、截金
- 像高:10.7cm(台座を含めて21.9cm)
- 作者:円勢、長円
もと仁和寺北院の本尊であったため、北院薬師と呼ばれることがあります。
仁和寺北院は、現在の仁和寺境内の西側にある宇多野北ノ院町あたりにあったそうですが、
1887年(明治20年)の火災で焼失したため、薬師如来坐像は霊明殿に移されました。
現存する仏像の中で、円派仏師の円勢と長円の確実な作とされる遺品です。
像高10cmあまりの小さな像ですが、光背と台座には七仏薬師、日光菩薩・月光菩薩、十二神将が浮彫で表現されています。
また、白檀材で刻まれた像の表面には截金(きりかね)文様が施されています。
秘仏・薬師如来坐像の過去の公開情報
仁和寺の薬師如来坐像は非公開の仏像で、再び公開されることは、
本来、秘仏であるため恐らくないと思われます。
と仁和寺の公式サイトに表記されています。
ですが、京都国立博物館で2017年に公開されます。
過去には、宇多天皇開創1200年記念「仁和寺の名宝」展
(京都国立博物館:1988年(昭和63年)5月24日~6月26日、
東京国立博物館:1989年(平成元年)1月31日~3月12日)
で展示されたことがありますが、薬師如来坐像は当時まだ国宝ではありませんでした。
(国宝指定されたのは1990年(平成2年)の6月)
国宝指定後も、「金と銀ーかがやきの日本美術」(東京国立博物館の平成館開館記念特別展、1999年10月12日~11月23日)
で展示されましたが、おそらくこの展覧会での公開が2016年までの一般公開で最後だったのではないでしょうか?
だとしたら2017年の公開は18年ぶりの公開ということになりますね!
京都国立博物館の国宝展での薬師如来の出陳期間は?
仁和寺の国宝薬師如来坐像は京都国立博物館の「開館120周年記念 特別展覧会 国宝」(以下、国宝展と表記します)で公開されます。
国宝展の会期は2017年10月3日(火)~11月26日(日)ですが、
会期中に3度の展示替えが行われ、おそよ8週間の会期は4期にわけられます。
国宝展の会期(Ⅰ~Ⅳ期)
- Ⅰ= 10月3日(火)~10月15日(日)
- Ⅱ= 10月17日(火)~10月29日(日)
- Ⅲ= 10月31日(火)~11月12日(日)
- Ⅳ= 11月14日(火)~11月26日(日)
仁和寺の薬師如来坐像が公開されるのは上記のうちのⅢ~Ⅳ期(10月31日(火)~11月26日(日))です。
仁和寺の国宝の中では仏画の孔雀明王像も有名ですが、孔雀明王像も国宝展で展示されます。
孔雀明王像の展示期間は国宝展のⅣ期( 11月14日(火)~11月26日(日))で薬師如来坐像の展示期間と重複しているので、
Ⅳ期に行けば両方同時に鑑賞することができます。
孔雀明王像は仁和寺の霊宝館でたまに展示されることがありますが、
それほど展示される頻度が高くないので、国宝展に出陳されるのは嬉しいですね!
仁和寺のもう一つの国宝彫刻・阿弥陀如来坐像は、東京国立博物館の仁和寺展で公開されます。
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仁和寺展でも薬師如来坐像が公開されますよ!