清凉寺霊宝館は清凉寺の文化財を収蔵・展示する施設で、春季と秋季のみに開館されます。
一定の数の仏像をまとめて拝観できるので、特に仏像好きな方におすすめです。
霊宝館を特別拝観できる具体的な期間や拝観料、
展示されている仏像の一覧や見どころなどを紹介します。
清凉寺霊宝館の特別拝観できるのはいつ?春期と秋期のみ
清凉寺の霊宝館を拝観できるのは、毎年春と秋のみです。
清凉寺霊宝館の特別公開期間
- 春期:4月1日~5月31日
- 秋期:10月1日~11月30日
春と秋のみに開館される霊宝館といえば仁和寺や醍醐寺、東寺などもあり、
多くのお寺で特別公開される時期に、清凉寺でも霊宝館が特別公開されます。
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清凉寺霊宝館の拝観料(入館料)や拝観時間は?
清凉寺霊宝館の拝観料
- 大人:400円
- 中高生:300円
- 小学生:200円
清凉寺本堂(釈迦堂)の拝観料
- 大人:400円
- 中高生:300円
- 小学生:200円
本堂と霊宝館の共通拝観券
- 大人:700円
- 中高生:500円
- 小学生:300円
本堂も拝観する場合、共通拝観券を購入すると100円お得です。
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清凉寺霊宝館に安置されている国宝・重要文化財の仏像一覧
清凉寺霊宝館の国宝・重文彫刻の一覧
- 阿弥陀三尊坐像 896年(国宝)
- 文殊菩薩騎獅像 10世紀末(重要文化財)
- 普賢菩薩騎象像 10世紀末(重要文化財)
- 釈迦十大弟子像 11世紀初期(重要文化財)
- 四天王立像 11世紀後半(重要文化財)
- 毘沙門天坐像 平安時代後期(重要文化財)
- 兜跋毘沙門天立像 平安時代後期(重要文化財)
ほかにも無指定の如意輪観音菩薩坐像や無指定の清凉寺式釈迦如来立像が安置されていました。
釈迦如来立像(国宝)と地蔵菩薩立像(重要文化財)は本堂に安置されています。
清凉寺霊宝館の見どころと見学所要時間は?
清凉寺霊宝館の1階部分には前項の一覧に載せた仏像が安置され、
2階部分は絵画や書跡などが展示されています。
毎年春と秋に特別公開される霊宝館の展示内容は、
多少変わることもあるかもしれませんが、基本的に毎回同じようです。
霊宝館に展示されている文化財のなかで目玉といえるのは、国宝の阿弥陀三尊坐像でしょう。
国宝・阿弥陀三尊像
清凉寺 阿弥陀如来及両脇侍坐像
- 員数:3躯
- 文化財指定:国宝
- 時代・年代:平安時代初期(896年)
- 素材・技法:木造(ヒノキの一木造)、漆箔
像高
- 阿弥陀如来坐像:178.2cm
- 観音菩薩坐像:165.7cm
- 勢至菩薩坐像:168.2cm
中尊・阿弥陀如来の向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩が配置された3体で1組の仏像です。
嵯峨天皇の皇子・源融(みなもとのとおる)の子息が源融の菩提を弔うために造像されました。
源融は源氏物語の主人公・光源氏のモデルとされていて、清凉寺の阿弥陀如来坐像は源融に似せて造ったという伝承があります。
阿弥陀三尊像は旧棲霞寺(せいかじ)の本尊で、霊宝館に安置される前は、清凉寺阿弥陀堂で祀られていました。
彫りの深い衣文は平安時代初期の仏像の特徴ですが、素木でないからか写真で見るとそれほど彫りの深い印象を受けません。
ですが、実際に霊宝館で拝観すると彫りの深さを強く感じました。
坐像で日本の成人男性の像高なので、等身大の2倍ぐらいの大きさがあります。
三尊ともに像の大きさに加え、彫りの深い衣文、強く張った肩、肉付きが良い体躯などから力強さを感じる仏像です。
霊宝館では結構近い距離で拝観できるので、より一層迫力を感じ、見とれてしまいました(笑)
釈迦如来立像体内納入品
1954年の国宝・釈迦如来立像の調査の時に、釈迦如来立像の像内からは大量の納入品が発見されました。
納入品は鏡像、経典、貨幣などさまざまで、そのうち一部が霊宝館で展示されています。
納入品で最も著名な五臓六腑(絹製の内臓の模型)は現存する世界最古の内臓模型で、
五臓六腑のオリジナルは釈迦如来像の像内に戻されたそうですが、複製品を霊宝館で拝観することができます。
納入品の種類が豊富で驚かされます!
霊宝館のその他の文化財についても少し触れます。
その他の文化財
中国宋時代の16幅の羅漢図です。
東京国立博物館と京都国立博物館にそれぞれ8幅ずつ寄託されていて、清涼寺霊宝館では模写が展示されています。
熊谷直実は源氏の武将で、源平合戦の一の谷の戦いで平清盛の甥にあたる平敦盛を討ちとった平家物語の話で知られています。
のちに直実は法然上人と出会い、家督を嫡子の直家に譲った後、出家します。
誓願状は直実が「上品上生して仏と成なり、この世に再び還り来て有縁の者・無縁の者問わず救い弔いたい」
と阿弥陀仏に誓って書かれてたものだそうです。
幼くしてなくなった徳川家康の息女・徳川市姫の冥福を祈って描かれた桃山時代の肖像画です。
渡辺正栄尼は豊臣家臣・渡辺内蔵助の母で、淀君の側近です。
渡辺内蔵助は大坂の陣で真田信繁(幸村)の寄騎として活躍した槍の名手です。
狩野永徳の孫で、永徳の再来と称された狩野探幽が描いた六曲一双の屏風です。
霊宝館の所要時間
霊宝館の見学所要時間の目安は、20分前後です。
展示されている文化財は仏像の割合が高いので、所要時間は仏像にどれほど興味を持っているかに左右されるでしょう。
清凉寺のポストカードもあるよ!
霊宝館の拝観受付ではポストカードが販売されています。
清凉寺の宝物(仏像・絵画)のポストカードとお堂や庭園など境内の風景のポストカードがあります。
- 仏像・絵画のポストカード:400円(8枚入り)
- お堂・庭園のポストカード:500円(10枚入り)
仏像・絵画のポストカードは前項で掲示した画像で、内容は次の通りです。
仏像・絵画ポストカード8枚入りの内容
- 阿弥陀三尊坐像(国宝)
- 釈迦如来立像(国宝)
- 文殊菩薩騎獅像(重要文化財)
- 普賢菩薩騎象像(重要文化財)
- 清涼寺縁起 伝狩野元信筆(重要文化財)
- 釈迦十大弟子立像のうち富楼那像(重要文化財)
- 十六羅漢図のうち蘇頻陀(国宝)
- 兜跋毘沙門天立像(重要文化財)
最後まで読んでくださりありがとうございました。