お寺に行けば見かける仏像。

祀られている仏像の前に名前を記したプレートが置かれていることもあるけど、名前を見ても種類が多くて何がなんだかわからない。

仏像の種類、意味や見分け方がわかれば、観光でお寺に行く場合も、お寺にある解説がよりわかりやすくなるかも?!

ということで、この記事では仏像の種類、意味と見分け方についてまとめました。

仏像の種類は4つに大別できる?

仏像もとい仏は、如来(にょらい)、菩薩(ぼさつ)、明王(みょうおう)、天(てん)の4種類に大まかに分類できます。

それぞれ役割が異なるので順に説明します。

如来

如来の如は真理の意味で、如来とは真理に到達して、その真理を教えて人々を救済する存在を意味します。

仏像の基本形は釈迦如来で、釈迦とは紀元前6世紀頃にインド(現在のネパール)で王子として生まれた実在した人物です。

釈迦は29歳に出家して修行をはじめ、35歳で悟りを開いてその教えを広め、仏教の教祖になりました。

如来は悟りを開いたあと(修行を終えている)の釈迦の姿がモデルとなっているので、その姿形も釈迦をモデルとしています。

外見上の特徴は、出家して悟りを得た姿を表しているので、華美な衣装や装飾品を身に着けていません。

髪型は巻貝が何百個も集まったような形ですが、これは修行中に伸びた髪が縮れて丸まったもので螺髪(らほつ)と呼ばれています。

螺髪の螺は巻貝のことなので、巻貝のような髪型という表現はそのまんまの意味なんですね。

如来の表情は基本的に慈悲にあふれていて穏やかです。

菩薩

菩薩とは悟りを求める者を意味します。

如来が悟りを開き修行を終えたのに対し、菩薩は修業中で、菩薩が悟りを開けば如来になります。

釈迦が29歳で出家して修行をはじめ、35歳で悟りを開きますが、この修業時代をモデルにしたのが菩薩とされています。

菩薩の像容の根底には王族としての釈迦の姿がり、菩薩は冠を被ったり、装飾品を身につけています。

髪型は長い髪を結い上げているものが多いです。

表情は如来と同様に穏やかです。

明王

明王は如来や菩薩のように慈悲あふれる姿で諭しても聞く耳を持たず、深い煩悩にとらわれている者を強引にでも強化して救済する存在です。

そのような性質から明王の表情は憤怒(怒り)の相です。

髪は逆立ち、背中には煩悩を焼き尽くすような炎を背負っている(火炎光背)ものが多いです。

また、武器類を手に持っているものも多いのが特徴です。

明王は密教にしか存在しない仏で、基本的に真言宗系・天台宗系の宗派の寺院にしか存在しません。

密教系じゃない宗派の寺院で明王を見かけたら、その寺院が昔は真言宗系や天台宗系の宗派だったか、奈良の東大寺のように体系化される前の密教(雑密)が取り入れられた寺院の可能性が高いです。

天は仏教が起こる前の時代からインドで信仰されていた神々を仏教に取り入れた護法神(仏法や仏教徒を守る神)で、種類が多く、姿容も様々で特徴を一言で言い表すのが難しいです。

四天王や金剛力士のように、武器を持ち、憤怒の表情をしている天もいれば、吉祥天のように穏やかな表情の天も存在します。

強引な考え方ですが、ある程度仏教の仏の種類の区別ができるようになるまでは如来でも菩薩でも明王でもないものが祀られていたら、それは天の可能性が高いと考えても良いと思います。