日本の有形文化財の彫刻の多くは仏像ですが、彫刻の中には神像も含まれます。
仏像と比較すると神像の数は少ないですが、神像でも国宝指定されているものはあります。
この記事では、国宝指定されている神像彫刻の件数と一覧、それぞれの神像の公開場所や期間について触れます。
国宝神像彫刻の件数と割合は?
国宝指定されている神像彫刻の件数は6件です。
国宝彫刻の全件数は2017年3月現在で134件なので、神像の割合はおよそ4.5パーセントです。
やはり仏像と比べると神像の割合は少ないですね。
国宝神像彫刻一覧
国宝神像彫刻一覧(6件)
- 薬師寺僧形八幡神坐像・神功皇后坐像・仲津姫命坐像 3躯 9世紀
- 園城寺新羅明神像 1躯 11世紀
- 吉野水分神社玉依姫命坐像 1躯 1251年
- 東大寺僧形八幡神坐像 1躯 1201年
- 東寺僧形八幡神坐像・女神坐像 3躯 9世紀
- 熊野速玉大社熊野速玉大神坐像・夫須美大神坐像・家津御子大神坐像・国常立命坐像 4躯 9世紀
上記は、国宝指定番号が若い順番に並べています。
次は各神像の公開期間や公開場所を紹介します。
国宝神像彫刻の拝観情報は?公開期間や安置場所を紹介
薬師寺の八幡三神像は、奈良国立博物館に寄託されていて、なら仏像館で展示されることがあります。
なら仏像館は数ヶ月ごとに展示替えをしていますが、薬師寺の八幡三神像は毎年数ヶ月は展示されます。
- 公開期間:不定期(毎年一定期間展示される)
- 公開場所:奈良国立博物館のなら仏像館
園城寺の新羅明神像はほぼ非公開の神像で、公開実績は過去に数回、美術館の展覧会で展示されたことがあるのみです。
次に公開される機会があるのかさえわかりません。
- 公開期間:不定期
- 公開場所:不定
吉野水分神社の玉依姫命坐像は公開された実績がありません。
国宝彫刻のなかで、今後も公開される見込みが最も薄い像のひとつです。
- 公開期間:なし(非公開)
- 安置場所:吉野水分神社本殿
吉野水分神社の国宝・玉依姫命坐像は非公開の秘仏?御開帳実績はナシ?
東大寺の僧形八幡神坐像は毎年10月5日の1日のみ御開帳が行われます。
博物館・美術館の展覧会で展示されることもあります。
- 公開期間:毎年10月5日
- 公開場所:東大寺勧進所八幡殿
東大寺僧形八幡神坐像は快慶の国宝!勧進所八幡殿の御開帳について
2017年は快慶展で展示されます。
快慶展が奈良国立博物館(奈良博)で開催!日程は?
東寺の僧形八幡三神像は通常非公開で、公開の頻度や期間は不定です。
博物館・美術館の展覧会で展示されることがありますが、3躯そろって展示されるとは限りません。
- 公開期間:不定期
- 公開場所:不定
熊野速玉大社の神像は通常非公開の神像で、公開の頻度や期間は不定です。
熊野速玉大社神社での御開帳実績はないようです。
博物館・美術館の展覧会で展示されることがありますが、4躯そろって展示されるとは限りません。
- 公開期間:不定期
- 安置場所:不定
国宝神像彫刻を拝観しやすい順に並べると、
薬師寺僧形八幡神坐像・神功皇后坐像・仲津姫命坐像(毎年数ヶ月) > 東大寺僧形八幡神坐像(毎年1日) >
熊野速玉大社熊野速玉大神坐像・夫須美大神坐像・家津御子大神坐像・国常立命坐像(数年に1度) >
東寺僧形八幡神坐像・女神坐像(稀に公開) >園城寺新羅明神像(次の公開があるのか不明) >
吉野水分神社玉依姫命坐像(公開されたことがない) ですが、拝観の機会が少ない像ばかりですね。