東大寺の国宝仏像の数は?
東大寺で国宝指定されている仏像(彫刻)の件数は14件で、これは国宝彫刻のおよそ10パーセントを占める数です。
(2016年11月現在の国宝彫刻の総件数は131件)
東大寺の国宝の仏像(彫刻)の所有件数は、法隆寺と興福寺についで全国で3番目に多いです。
東大寺国宝仏像一覧
東大寺が所有する国宝の仏像一覧です。
東大寺の国宝仏像一覧(14件)
- 日光菩薩・月光菩薩立像(東大寺ミュージアム)天平前期
- 金剛力士立像(法華堂)天平前期
- 執金剛神立像(法華堂)天平前期
- 梵天・帝釈天立像(法華堂)天平前期
- 不空羂索観音立像(法華堂)747年
- 四天王立像(法華堂)747年
- 盧舎那仏坐像【奈良の大仏】(大仏殿)752年
- 誕生釈迦仏立像(東大寺ミュージアム)天平時代
- 四天王立像(戒壇堂)天平時代
- 木造弥勒仏坐像【試みの大仏】(東大寺ミュージアム)9世紀
- 良弁僧正坐像(開山堂)藤原時代
- 僧形八幡神坐像(八幡殿)1201年
- 金剛力士立像(南大門)1203年
- 俊乗上人坐像(俊乗堂)鎌倉時代
上記は仏像の造像された時代順にならべているので、東大寺のどのお堂に何件の国宝仏像が安置されているのかわかりづらいはずです。
次は、安置場所別に東大寺の国宝仏像を紹介します。
通常公開されている仏像と、特別拝観(御開帳)でしか拝観できない仏像がどれなのかも記載しています。
東大寺の国宝仏像はどのお堂で拝観できる?
東大寺南大門の国宝仏像(1件)
- 金剛力士立像
東大寺南大門には金剛力士立像が2軀安置されています。
南大門は拝観無料・拝観時間なしなので、24時間いつでも金剛力士像を拝観することができます。
もちろん夜間は仁王門の周辺は暗くて金剛力士像を見づらいですが、年末の除夜の鐘、3月のお水とり、お盆の万燈籠など夜の行事の時も通りがかりに見ることができます。
東大寺大仏殿の国宝仏像(1件)
- 盧舎那仏坐像
東大寺大仏殿には文字通り、大仏(盧舎那仏坐像)が安置されています。
大仏を拝観するには、大仏殿の拝観料が必要です。
拝観時間は季節によって少し変動します。
お堂の内部の仏像は写真撮影が禁止されている場合が多いですが、この大仏殿の内部は写真撮影が許可されています。
記念撮影するも良し!自分用に大仏を写真に納めて手元に置いておくのも良し!です。
東大寺法華堂の国宝仏像一覧(5件)
- 不空羂索観音立像
- 梵天・帝釈天立像
- 四天王立像
- 金剛力士立像
- 執金剛神立像
東大寺法華堂は、東大寺の境内の中で最も多くの国宝の仏像が安置されているお堂です。
執金剛神立像以外の国宝の仏像は通常拝観することができます。
執金剛神像は法華堂の裏側に安置されている秘仏で、毎年12月16日のみに御開帳されます。
執金剛神像は高い位置に安置されているので、けっこう見上げることになりますが、法華堂内の裏側には雛壇のような台が置かれていて、その上に乗れば目線に近い高さで見ることもできます。
12月16日の天気が悪ければ、外から法華堂内に差し込む光が少なくなり、その分執金剛神立像の細部が見づらくなります。
しかし曇り空でも全然見えないということはないです。
同じ日に開山堂で国宝の良弁僧正坐像が開帳されますが、法華堂の方が収容人数が多いからか待ち時間は少ないです。
東大寺戒壇堂の国宝仏像一覧(1件)
- 四天王立像
東大寺戒壇堂には塑像の四天王像が4体が安置されてます。
四天王立像の像高は等身大ですが、高い位置に安置されているので見上げることになります。
戒壇堂は参拝者の出入りが比較的少ないので、ゆったりと拝観することができるでしょう。
東大寺ミュージアムの国宝仏像一覧(3件)
- 日光・月光菩薩立像
- 誕生釈迦仏立像
- 木造弥勒仏坐像(試みの大仏)
東大寺ミュージアムは2011年10月にオープンした東大寺の文化財を展示する施設です。
過去にいくつか特別展を催していますが、2013年10月25日以降は「東大寺の歴史と美術」展が開催されています。
東大寺ミュージアムの公式ホームページには「東大寺の歴史と美術」展の終了日が記載されていませんが、東大寺総合文化センタ-の方に確認したところ終了日は2017年1月22日だそうです。
国宝の仏像の中では誕生釈迦仏立像・灌仏盤、日光・月光仏立像、弥勒仏坐像の3件が展示されています。
この「東大寺の歴史と美術」展の終了後はいつの期間にどんな特別展が開催されるのはわかりませんが、
少なくとも2017年1月22日までの間は、上記の国宝仏像3件を拝観することができます。
東大寺開山堂の国宝仏像一覧(1件)
- 良弁僧正坐像
東大寺開山堂には良弁僧正坐像が安置されています。
毎年12月16日に御開帳される秘仏です。
1年に1日のみの公開ということで、開山堂の前には行列ができます。
参拝者が多いのと開山堂がそれほど広くないこともあって、堂内に入るまで待ち時間ができます。
多少の待ち時間があることは覚悟すべきですが、長くても20分くらい待てば開山堂内部に入って良弁僧正像を拝観できるでしょう。
(待ち時間は私が過去に拝観した時の実績から予測したもので、時間帯によっては30分以上待つことになるかもしれません)
東大寺開山堂の国宝仏像一覧(1件)
- 僧形八幡神坐像
東大寺八幡殿には僧形八幡神坐像が安置されている神像です。
毎年10月5日のみに御開帳される秘仏です。
東大寺僧形八幡神坐像は快慶作の国宝!勧進所八幡殿の御開帳の時間や拝観料は?
たまに博物館の特別展で出陳されることがあるので、近くでじっくり見るなら出陳を待つしかなさそうです。
東大寺八幡殿僧形八幡神坐像の出陳実績の一例
・東京国立博物館 2010年10月8日(金)~12月12日(日) 光明皇后1250年御遠忌記念 特別展「東大寺大仏―天平の至宝―」
・奈良国立博物館 2012年7月21日(土)~9月17日(月) 特別展「頼朝と重源 -東大寺再興を支えた鎌倉と奈良の絆-」
2017年の快慶展で展示されるようです。
東大寺俊乗堂の国宝仏像一覧(1件)
- 俊乗上人坐像
東大寺俊乗堂(しゅんじょうどう)には俊乗上人坐像が安置されています。
俊乗堂は毎年7月5日と12月16日に一般公開されます。
俊乗上人坐像は運慶の手によって造像されたのでは?という声もある像で、今にも動き出しそうなほど写実的です。
俊乗堂内には俊乗上人坐像の他にも重要文化財の阿弥陀如来坐像と、同じく重要文化財の愛染明王坐像が安置されています。
阿弥陀如来は快慶の作です。
もし俊乗上人坐像が運慶の作なら、俊乗堂内で運慶と快慶の共演が見られることになります!
運慶展が東京国立博物館(東博)で2017年に開催!展示品や日程は?
俊乗堂の快慶の阿弥陀如来立像は奈良博の快慶展で展示されるようです。