金峯山寺の蔵王堂

金峯山寺は奈良の吉野山にあるお寺で、世界文化遺産にも指定されています。

吉野山は春は山一面に咲く桜の花見客が押し寄せ、秋は紅葉の見物客でにぎわいます。

金峯山寺には7メートルを超える大きな金剛蔵王権現立像が祀られていますが普段は非公開です。

2018年(平成39年)の春に御開帳が行われるので拝観情報を紹介します。

金峯山寺蔵王堂御開帳の日程や拝観料金は?

金峯山寺蔵王堂2018年の御開帳の基本情報

御開帳日程:2017年3月31日(土)~5月6日(日)

拝観時間:午前8時30分~午後4時30分(受付は午後4時まで)

御開帳期間の拝観料

  個人料金 団体料金
大人 1000円 950円
中高生 800円 760円
小学生 600円 570円

団体割引は30名以上で適用されます。
身障者の拝観料は500円で、身体障者者手帳の提示が必要です。

 

蔵王堂御開帳期間の特別拝観は通常参拝と何が違う?

金峯山寺の蔵王堂
金峯山寺の蔵王堂

御開帳が行われるのは金峯山寺の蔵王堂(本堂)です。

金峯山寺の中で最も大きなお堂ですし、拝観受付も蔵王堂の前で行っているので、金峯山寺に着けばどこで御開帳が行われているのか迷うことはありません。

 

御開帳で公開されるのは3体の巨大な蔵王権現立像です。

金峯山寺の本尊は3体の蔵王権現立像で、御開帳で公開されるのはこの3体の仏像です。

像高は中央の像が7m28cm、参拝者から見て右の像が6m15cm、左の像が5m92cmで3体とも巨大です。

 

巨大であることに加えて、3体とも口を開けて牙をむき出しにする憤怒の形相をしているため迫力があります。

 

中央の像の制作年は1591年です。

左側と右側の蔵王権現像も同じ頃に制作されたと考えられているようです。

秘仏(非公開)であった期間が長いため、400年以上たった現在でも綺麗な色が残っています。

 

蔵王権現とは修験道の開祖である役行者が1300年以上前に吉野の金峯山で修行している時に現れたとされている修験道の仏です。

蔵王権現の出現のエピソードからわかるように、修験道では悟りを得るために山へ籠もって厳しい修行を行います。

修験道は日本古来の山岳信仰が仏教に取り入れられた日本オリジナルの宗教だそうです。

修験道が日本オリジナルということは、修験道の仏である蔵王権現も日本オリジナルの仏です。

 

金峯山寺では3体の蔵王権現が過去・現在・未来の三世にわたって衆生の救済すると信仰されています。

中央の像が釈迦如来の化身で過去の衆生を救い、参拝者から向かって右の像が千手観音菩薩の化身で現在の衆生を救い、左の像が弥勒菩薩の化身で未来の衆生を救うとされています。

 

蔵王堂の内部に入ると巨大な蔵王権現が祀られていて、その大きさに驚きますが、それらを収めるお堂はさらに大きくて空間的なスケールの大きさに圧倒されます。

蔵王権現は過去から現在を経て、未来にまで救いの手を差し伸べるということで時間的なスケールもすごいのですね。

御開帳期間外の通常参拝では前述した3体の蔵王権現立像を収める巨大な厨子の扉が閉じられているため、3体の像を拝むことができません。

 

その分、拝観料は御開帳期間より安くなっています。

金峯山寺蔵王堂通常拝観時の拝観料(御開帳期間外の拝観)

  個人料金 団体料金
大人 500円 400円
中高生 400円 360円
小学生 300円 270円

団体割引は30名以上で適用されます。

身障者の拝観料は250円で、身体障害者手帳の提示が必要です。

御開帳期間の拝観料は通常拝観の時の2倍ですが、6~7m程の巨大な仏像が3体もあり、しかもあれほど綺麗に彩色の残っているものを所有するお寺は全国でも珍しいので、私は2倍の拝観料を払う価値が十分にあると思います。

 

蔵王堂には3体の蔵王権現以外にも複数の仏像が祀られています。

それらは巨大な3体を収める厨子の外にあるので、通常拝観時でも拝めます。

 

御開帳期間と通常拝観期間との違いは、3体の蔵王権現が拝めるか、拝めないかです。

 

金峯山寺の拝観所要時間とオススメの拝観コース

金峯山寺の拝観所要時間

私は過去に金峯山寺の御開帳期間に参拝しましたが、

金峯山寺の御開帳期間中の拝観にかかる時間(拝観所要時間)は45分~1時間くらいです。

もちろん拝観所要時間は人によって異なるので、参考程度にみてください。

 

金峯山寺のオススメ見学コース

金峯山寺内の一般的な見学コースは次のとおりになると思います。

仁王門を通る → 蔵王堂を拝観する(ここで拝観受付をしている) → 脳天神社などの境内の他のお堂、社を参拝する

まず、吉野駅側から坂を登ってくると大きくて立派な門が見ますが、それが仁王門です。

金峯山寺仁王門
金峯山寺仁王門

仁王門では大きな2体の金剛力士像が睨みをきかせています。

ただし、仁王門には工事用の足場が組まれていて、外観がよく見えないかもしれません。

写真はまだ足場が組まれていない時のものです。

工事は2019年に開始する予定で、まだ工事中ではないのですが、

外観を見られない可能性が高いことを心に留めておいてください。

 

次に御開帳が行われている蔵王堂へ行きます。

金峯山寺内で有料なのは、この蔵王堂だけです。

前の項目に記載したとおり、蔵王堂では本尊の3体の蔵王権現やその他の仏像を拝観します。

金峯山寺に参拝しに来た人の多くが立ち寄るのは仁王門と蔵王堂です。

 

その後は、境内にある他のお堂や社を参拝します。

金峯山寺の境内には観音堂や愛染堂、天満宮などがありますが、金峯山寺の近くにある場所で特に有名なのは「吉野の脳天さん」で知られる脳天神社です。

脳天神社
脳天神社

脳天神社は首から上の病気にご利益があります。

首から上の願いごとに霊感あらたかということが転じたのか、入学試験合格祈願でも親しまれています。

蔵王堂から脳天神社までは少し距離があります。

蔵王堂の西側にある南朝妙法殿のそばの坂道を下り、さらに450段の階段を降りなければなりません。

 

蔵王堂側から見た妙法殿
蔵王堂側から見た妙法殿

吉野の観光ルートから外れていく方向にあるので、脳天神社の参拝を終えたら同じ道を戻ることになります。

蔵王堂から脳天神社までの往復に要する時間は20分くらいです。

 

以上のことから金峯山寺のオススメ見学ルートをまとめると↓

金峯山寺のオススメ見学ルート

  • 仁王門と蔵王堂を参拝する
  • 時間や自分の好みを考慮して、脳天神社などを参拝するか決める

ということになります。