東京都調布市にある深大寺(じんだいじ)の釈迦如来倚像が平成29年(2017年)に国宝として新指定されました。
深大寺釈迦如来倚像の国宝指定の理由や拝観方法を紹介します。
深大寺釈迦如来倚像とは?国宝に新指定されたのはなぜ?
深大寺銅造釈迦如来倚像(国宝指定見込み)
【所有者】宗教法人深大寺
【大きさ】像高60.6センチメートル
文化庁の報道によると下記の理由で国宝指定されたとのことです。
明るい表情を浮かべた少年を思わせる面貌や、体に密着し て肉付けの起伏をあらわにみせながら流麗な衣文が表される着衣など、いわゆる白鳳仏の特色をよく示し、飛鳥時代後期の名品として知られる作例である。
製作は7世紀後半ないし末と推定される。
近年、飛鳥後期の美術に関し、外来影響の受容のありさまや材質技法の特色など研究が進展したことを踏まえ、この時代の代表作の一つとして国宝に指定する。(飛鳥時代)
引用元:文化審議会答申 ~国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定について~
深大寺の釈迦如来倚像は上記引用に書かれている通り、飛鳥時代後期を代表する仏像です。
明るい表情は、鼻梁(びりょう)から左右上方へと大きな弧を描く眉と、真っすぐに引かれたな下まぶた、
さらに口角を少し上げた口もとによって形成されています。
これは同時代の仏像として代表的な法隆寺観音菩薩立像(夢違観音)や新薬師寺薬師如来立像(香薬師)にも通じる表現ですね!
新薬師寺の香薬師は右手以外がとうなんによって所在不明になっていますが、
深大寺釈迦如来倚像の国宝指定によって、香薬師も見つかればいずれは国宝に指定されるのでは?と期待してしまいます。
近年の彫刻の部の新指定国宝件数は多いですし。
2017(平成29)年の新国宝仏像は3件!近年新指定の彫刻一覧
深大寺釈迦如来倚像はどこで拝観できる?公開期間は?
深大寺は東京にある寺院です。
地図を掲載します。
釈迦如来倚像は深大寺釈迦堂に安置されています。
通常非公開の秘仏ではなく、常時公開されている仏像なので深大寺に参拝すれば拝観することができます。
ちなみに深大寺の拝観料は無料です。
釈迦如来倚像は上記の通り、通常はいつでも公開されている仏像ですが、2017年の春は東京国立博物館で展示されます。
東京国立博物館の平成29年(2017)新指定国宝の展示期間はいつ?
そのため深大寺で4月18日~5月中旬(予定)まで拝観することができなくなります。
東京国立博物館での展示期間中は、深大寺釈迦堂には複製された身代わり像が安置されます。
深大寺も東京国立博物館もどちらも東京都内にあるので、それほど離れていないのですが。
深大寺釈迦如来倚像と同時に国宝に新指定された国宝は2件あります。
天野山金剛寺の大日如来が国宝に指定!場所は大阪府河内長野市のどこ?
国宝彫刻の合計件数はこれで134件ですが、
深大寺釈迦如来倚像は関東では3件目の国宝仏像誕生となりました。
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