興福寺南円堂の拝観の栞

興福寺南円堂では鎌倉時代に造られた国宝の仏像が祀られています。

 

この記事では南円堂の仏像一覧と仏像配置図を紹介しています。

 

また、もともと南円堂に安置されていたものの、現在は別の場所に配置されている仏像についても触れています。

興福寺南円堂の仏像一覧は?

興福寺南円堂
興福寺南円堂

興福寺南円堂の仏像の種類一覧

  • 不空羂索観音坐像
  • 四天王立像

⇒ 法相六祖坐像が加わりました

本尊・不空羂索観音坐像

  • 文化財指定:国宝
  • 制作年代 :鎌倉時代・1189年(文治5年)
  • 作者   :康慶
  • 員数   :1軀
  • 像高   :333.6cm
  • 技法など :桧材、寄木造、漆箔、彫眼だが瞳は玉眼

 

運慶の父にあたる仏師・康慶(こうけい)がその弟子達と造った仏像です。

 

746年(天平18年)に造られた南円堂の旧本尊の姿を復元することを目指して造像されたためか、重量感のある体躯や威厳のある表情に、奈良時代や平安時代初期の仏像に通じるものを感じます。

 

ですが、自在な衣文表現や溌溂としたようにも見える表情など、旧時代とも異なる造形に仕上げられています。

 

興福寺に現存する仏像の中では最も大きいと思しき本像は、その大きさに圧倒されます。

 

四天王立像

※当四天王立像は、南円堂から中金堂に配置場所が変更されました。
 また、仮金堂に安置されていた四天王像が南円堂へ移されました。

  • 文化財指定:国宝
  • 制作年代 :鎌倉時代
  • 員数   :4軀
  • 技法など :桂材、寄木造、彩色、彫眼

 

  • 持国天像の像高:206.6cm
  • 増長天像の像高:197.5cm
  • 広目天像の像高:200.0cm
  • 多聞天像の像高:197.2cm

 

現在、南円堂に安置されている四天王像は、鎌倉時代の再興期からずっと南円堂に安置されているわけではありません。

興福寺に現存している別の四天王像が、もともと南円堂に安置されていたことが仏画などの研究から判明しています。

 

南円堂に現在安置されている四天王像がもともとどこのお堂にあったものかはっきりわかっていません。

 

東金堂にあったなら定慶(じょうけい)の工房で造像された可能性が高く、北円堂にあったなら運慶の工房で造像されたと言えます。

 

南円堂に現在安置されている四天王像は桂材で造像されています。

 

北円堂に配置されている仏像も桂材で造られているため、この四天王像はもともと北円堂にあったものではないかという声もあります。

 

 

木造法相六祖坐像

  • 文化財指定:国宝
  • 制作年代 :鎌倉時代
  • 員数   :6軀
  • 技法など :桧材、寄木造、彩色、玉眼

 

法相六祖各像の像高

  1. 常騰像の像高:73.3cm
  2. 神叡像の像高:81.2cm
  3. 善珠像の像高:83.0cm
  4. 玄昉像の像高:84.8cm
  5. 玄賓像の像高:77.2cm
  6. 行賀像の像高:74.8cm

 

もともとは南円堂の八角形須弥壇周囲に安置されていていました。

 

仏師・康慶とその弟子達が1189年(文治5年)に造ったものです。

 

 

興福寺南円堂の仏像配置図は?

興福寺南円堂の仏像配置図
興福寺南円堂の仏像配置図

八角形の須弥壇の中央に本尊の不空羂索観音菩薩坐像が安置されています。

 

その斜め四方に四天王立像をそれぞれ1軀ずつ配置。

 

 

南円堂の特別公開では、拝観者はこの須弥壇の周囲を回って仏像を拝観することができるので、仏像の後ろ側もみることができます。

 

 

⇒ 2018年時点で下記のように配置換えされています。

興福寺南円堂の仏像配置(2018年版)
興福寺南円堂の仏像配置(2018年版)

興福寺南円堂の拝観の栞より

 

2017年の運慶展終了してから仏像の配置換えが行われました。

  • 南円堂から他所へ移動した仏像:四天王像(中金堂へ移動)
  • 他所から南円堂へ移動した仏像:四天王像(仮金堂から移動)・法相六祖坐像(国宝館から移動)

 

南円堂の御開帳の詳細やに当日の様子ついては、下記の記事で紹介しています

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