ならの大仏として親しまれている東大寺の大仏は、世界一の高さを誇る仏像なのでしょうか?
そうではなくて、日本一でもないのです。
それなら世界遺産で世界一の大きさの大仏かというとそれも違います。
また鎌倉の大仏との像高も比較するとどちらが大きいのでしょうか?
奈良・東大寺の大仏の大きさは世界一?
東大寺の大仏の像高は14.98m。
立像ではなく坐像なので、これは座高にあたります。
この大仏が世界一の大きさの仏像かというとそうではありません。
中国には魯山大仏(ろざんだいぶつ)と呼ばれる全高208m(像高108mと台座100mの合計)の仏像があり、これが世界一の高さの像です。
像高だけでいうと、全高129.5m(像高116mと台座13.5mの合計)のミャンマーのレイチュン・セッチャー大仏が世界一の高さ。
奈良の大仏が坐像なのに対して、魯山大仏とレイチュン・セッチャー大仏は立像です。
座高14.98mの奈良の大仏の立ち姿は約30mほどということになりますが、高さがぜんぜん違うことは明らかですね。
世界一高い像が中国にあるなら、日本一高いの仏像が東大寺の大仏かというと、これまたそうではないのです。
日本一の大仏の大きさは?
日本一の仏像は、全高120m(像高100m、台座20mの合計の高さ)の牛久大仏(うしくだいぶつ)です。
茨城県牛久市にあるため、この名で呼ばれています。
中国の魯山大仏ができるまでは、全高で世界一の高さを誇っていました。
牛久大仏の掌に東大寺の大仏が乗ってしまうほど両者の大きさは異なります。
魯山大仏は2008年10月に完成。
レイチュン・セッチャー大仏は2008年2月に完成。
牛久大仏は1992年12月に完成。
こうして並べてみると、世界最大級の大仏は比較的新しいですね。
東大寺の大仏と同様に世界遺産に指定されている大仏の中で世界最大の仏像はどこにあるのでしょうか。
世界遺産で世界一の大きさの大仏は?
世界遺産で最も高い仏像は、中国の楽山大仏(らくさんだいぶつ)です。
全高約71m(像高59.98m)。
803年に完成した長い歴史を持つ大仏です。
東大寺の大仏の完成が752年なので、年代は近いですね。
岩山を削って作られた磨崖仏(まがいぶつ:岩壁を削って作った石仏のこと)で、日本とは違って石仏が多い中国らしい仏像です。
最後に東大寺の大仏と比較されることの多い鎌倉の大仏と大きさを比べてみましょう。
鎌倉・高徳院の大仏の大きさは?
鎌倉の大仏は、高徳院にあります。
世界遺産ではありませんが、東大寺の大仏と同様に国宝指定されている仏像です。
高徳院の大仏の像高は、全高13.35m(像高11.31m)。
東大寺の大仏と同様に坐像なのでこれも座高を示しており、比較しやすいですが、東大寺の大仏が14.98mであるため鎌倉大仏の方が少し小さいですね。