京都には1994年(平成6年)に世界文化遺産「古都京都の文化財」に登録された寺院・神社・城郭が合わせて17ヶ所あります。
それら17ヶ所の一覧と地図、それぞれの概要を紹介しています。
京都に世界遺産のマップと一覧は?
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世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産一覧
- 比叡山延暦寺
- 上賀茂神社(賀茂別雷神社)
- 下鴨神社(賀茂御祖神社)
- 銀閣寺(慈照寺)
- 金閣寺(鹿苑寺)
- 龍安寺
- 仁和寺
- 高山寺
- 天龍寺
- 苔寺(西芳寺)
- 二条城
- 西本願寺(本願寺)
- 東寺(教王護国寺)
- 清水寺
- 醍醐寺
- 宇治上神社
- 平等院
世界文化遺産「古都京都の文化財」の17ヶ所の構成資産のうち、14ヶ所は京都市内にあります。
宇治上神社と平等院は京都府宇治市にあり、比叡山延暦寺は滋賀県大津市(京都市との境界付近)にあります。
京都市と滋賀県大津市の境界付近にある延暦寺は、天台宗の開祖・最澄が開いた寺院。
鎌倉時代の新仏教の開祖となる法然、親鸞、栄西、道元、日蓮なども若いころに延暦寺で修行しました。
東塔・西塔・横川の3つのエリアがあります。
特に東塔エリアが見どころで、根本中堂の内部は荘厳な雰囲気が漂っています。
京都三大祭りのひとつ「葵祭」で有名な神社。
古代の豪族「賀茂氏」を祀る神社として、後述する下鴨神社とともに知られています。
都が京都に遷る以前から歴史がある、京都最古の神社のひとつ。
下鴨神社の祭神の子孫にあたる厄除の神様をお祀りしています。
前述の上賀茂神社とともに京都三大祭りのひとつ「葵祭」で知られる神社。
上賀茂神社の祭神の母と祖父にあたる神様をお祀りしています。
境内にある糺の森(ただすのもり)は人の生活圏のそばにある稀有な原生林。
また、境内には相生社(あいおいのやしろ)という神社があり、縁結びのパワースポットとして若い女性を中心に人気になっています。
室町幕府8代将軍・足利義政(あしかがよしまさ)の山荘を起源とします。
「銀閣」の通称で知られる観音殿は、創建期の建造物で現存する数少ないもののひとつ。
白砂の庭園も見どころ。
境内は和の雰囲気が漂っていますが、幾何学的な形状に成形された庭園の白砂や、直方体の形に刈り込まれた拝観受付の前の「銀閣寺垣」の椿などに西洋庭園の影響が感じられます。
室町幕府3代将軍・足利義満(あしかがよしみつ)が公家から譲り受けて一新した山荘が起源。
見どころは、やはり「金閣」の通称で知られる舎利殿です。
舎利殿の前の鏡湖池(きょうこち)と呼ばれる池の中に造られた島々もきれい。
舎利殿が建つ庭園は回遊できます。
室町幕府の足利将軍を補佐する立場にあった細川勝元が、公家から譲り受けた山荘を寺院に改めたのが龍安寺です。
白砂の庭に15の石を配置した「石庭」で有名な方丈庭園が見どころ。
石庭(方丈庭園)は水を用いずに山水を表現した枯山水の庭園ですが、境内には鏡容池(きょうようち)という池もあり、四季折々の花がきれいです。
平安時代の888年に宇多天皇が完成させた寺院で、天皇は後に出家して第1代目の門跡(住職)となりました。
それ以降、皇室とゆかりの深い人物が門跡を務めたこともあって、境内の建造物や庭園などが雅やかです。
特に御殿と、その縁側から眺めることができる庭園が見どころ。
庭園からは五重塔も見えます。
仁和寺には「御室桜」と呼ばれる背の低い桜があり、京都市内で遅咲きの桜として知られています。
日本さくら名所100選に指定されています。
高山寺は鎌倉時代の13世紀はじめに明恵上人(みょうえしょうにん)によって再興された寺院。
「鳥獣人物戯画」が所有することで有名ですが、本物は京都国立博物館に寄託されています。
鎌倉時代の住宅建築をしのばせる「石水院」では「鳥獣人物戯画」の複製品を拝観することができます。
紅葉の名所としても知られますが、新緑の時期も美しいです。
室町幕府の初代将軍・足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために、離宮を寺院に改めたのが天龍寺。
大方丈から眺める曹源池(そうげんち)庭園が見どころ。
庭園の向こう側にある嵐山を、違和感なく庭園の風景として取り入れています。
季節によらず、すばらしい庭園ですが、春は枝垂れ桜、秋は紅葉がよりいっそう庭園の美しさを引き立てます。
法堂では 天井に描かれた雲龍図を拝観できます。
西芳寺は鎌倉時代の13世紀に夢窓疎石(むそうそせき)という僧が復興した寺院。
西芳寺の庭園を手掛けたのも夢窓疎石ですが、前述した天龍寺の曹源池庭園も彼の作庭です。
拝観するには事前予約が必要。
写経をしてから庭園を拝観することができます。
苔寺の通称通り、苔がきれいな庭園が見どころ。
梅雨の6月と、苔の緑と紅葉の赤のコントラストがすばらしい11月が人気。
二条城は徳川家康が京都へ上洛する際の宿処として建設した城。
家康が豊臣秀頼と会見したり、大政奉還の歴史の舞台にもなりました。
二の丸御殿には、日本絵画史上最大の画派で徳川将軍の絵師を務めた狩野派の障壁画(複製品)があります。
特に大政奉還が発表された大広間に描かれている松の図は、大きくて将軍の威光が感じられます。
障壁画の実物の一部は、城内にある収蔵館で展示されています。
また、江戸・明治・昭和の各時代に造られた大きな庭園があり、それぞれを見比べるのもおすすめ。
西本願寺は、浄土真宗の本願寺派の本山。
浄土真宗を開いた親鸞聖人(しんらんしょうにん)の廟堂が起こりとされる。
阿弥陀堂(本堂)、御影堂はともにとても大きな建造物。
彫刻がすばらしい唐門もあります。
真言宗の開祖・空海が時の天皇より託された官営の寺院。
密教の教え図像として視覚的に表現したものを曼荼羅(まんだら)と呼びますが、講堂には仏像を配置して曼陀羅を3Dで具現化した「立体曼荼羅」があります。
近世以前に建てられたものの中で、日本一高い五重塔も見どころ。
清水寺は平安時代初頭に東北を平定した征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が創建に関わったことで知られる寺院。
「清水の舞台」の通称で知られる本堂が見どころ。
舞台の上から下を眺めるのもいいですが、下から舞台を見上げた時の光景もすばらしいです。
音羽の滝はいつも行列ができる人気スポット。
暗闇の中を進んで願掛けをする胎内めぐりもおすすめ。
空海の弟子が醍醐山上に草庵を建てたことが醍醐寺のはじまり。
醍醐山上には現在も複数のお堂がありますが、「上醍醐」と呼ばれています。
山麓にも伽藍があり、こちらは「下醍醐」と呼ばれています。
下醍醐では伽藍や三宝院庭園などを拝観できます。
醍醐寺は豊臣秀吉が催した「醍醐の花見」でも知られる桜の名所で、日本さくらの名所100選にも選定されています。
宇治上神社はその名の通り京都府宇治市にあります。
神社が創建された時代は明らかではないですが、本殿は現存最古の神社建築とされています。
拝殿は平安時代中期に成立した住宅形式である寝殿造(しんでんづくり)の雰囲気が漂う雅やかな建築。
京都府宇治市にある平等院は、10円玉にデザインされている「鳳凰堂」で有名な寺院。
藤原道長の別荘をその息子・藤原頼道(ふじわらのよりみち)が寺院に改めたのが平等院のはじまり。
その鳳凰堂の屋根の上に立つ鳳凰像は、1万円札にデザインされていますが、保護のため実物は境内にある平等院ミュージアム「鳳翔館(ほうしょうかん)」で間近に見ることができます。
鳳凰堂の内部も拝観可能で、本尊の阿弥陀如来を中心とした極楽浄土の世界が表現されています。
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