室生寺の奥の院は、山の中にあって自然を感じられる室生寺の中でもさらに自然を感じられる魅力的な場所にあります。
金堂や五重塔の周辺とは違った雰囲気を感じられる室生寺でオススメしたいスポットのひとつです。
この記事では室生寺奥の院の見どころや見学所要時間、さらに五重塔からの往復の所要時間について触れています。
室生寺奥の院には何がある?見どころは?
室生寺の奥の院には御影堂や常燈堂(位牌堂)、御供所があります。
御影堂は鎌倉時代の建築で、重要文化財に指定されています。
屋根は厚板の段葺で、頂上には石造の露盤が置かれています。
御影堂の内陣には真言宗の開祖である弘法大師の四十二歳像が安置されています。
位牌堂は斜面にせり出したお堂で、床面を長い束で支えた懸造(かけづくり)の建築です。
懸造は清水の舞台で知られる清水寺本堂と同じ形式の建築です。
規模は小さいですが、室生寺金堂も懸造です。
奥の院の見所は、位牌堂の舞台から下を眺めることです。
逆に位牌堂の懸造の建築を下から見上げるのもおすすめです。
余談ですが位牌堂には、100円のおみくじがあります。
奥の院の御供所では御朱印を頂けます。
奥の院の御朱印を頂きたい方は奥の院に行くことをもちろんおすすめしますが、御朱印目的じゃない方にも奥の院の参拝をおすすめします。
奥の院に着くまでの参道のまわりも室生寺の魅力なんです。
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室生寺奥の院の前には急な階段が続く
奥の院に続く参道は、室生寺五重塔の更に奥に進むとあります。
五重塔から奥に少し歩くと無明橋という朱色の橋があり、このあたりは暖地性シダの天然記念物に指定されています。
室生寺の金堂や本堂の周囲も自然を感じられますが、奥の院参道の無名橋あたりからはさらに雰囲気が変わり、山深い場所に来たような雰囲気を感じられます。
この雰囲気を感じられることも奥の院へ参拝することをおすすめする理由です。
無名橋を渡ると急な石段が長く続きます。
階段の段数は400段ぐらいあります。
石段の段差は高く、段の幅は狭いため、転落しないように注意が必要です。
階段に手すりがありますので、できるだけ利用しましょう。
奥の院の参拝後は、同じ道を引き返すことになります。
幅が狭い階段なので下る時の方が怖いです。
雨の日や雨上がりは滑りやすくなり、転落の危険度が増します。
公共交通機関で室生寺に参拝した場合、バスの本数が少ないので、ギリギリのスケジュールだと焦りを生むかもしれません。
時間に余裕を持って参拝しましょう。
金堂や五重塔はさらっと拝観して先に奥の院に行き、戻ってきてから次のバスまでの余った時間で金堂や本堂をじっくり拝観するのもいいかもしれませんね。
奥の院前の400段近い石段は持久力に多少自信がなければ息が上がって登り切るのがしんどいです。
私は室生寺に来たなら時間が許す限り奥の院の参拝をおすすめしますが、足の悪い方にはおすすめできません。
室生寺とセットで拝観されることが多い奈良県桜井市の長谷寺には、仁王門から本堂の前まで399階の階段が続くことが知られていますが、
こちらの階段は段差がかなり低く、幅が広い階段のためほとんど疲れは感じません。
室生寺奥の院と長谷寺の階段の段数はほとんど同じですが、段差や幅の違いで体力の消耗が違うことを感じると思います。
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室生寺奥の院の見学所要時間は?五重塔から往復何分かかる?
奥の院の見学所要時間の目安は5分~10分です。
階段を登りきって息が上がっている方も少なくないでしょうから、場合によっては休憩する時間が必要かもしれません。
ですが、御影堂も位牌堂も長居する人はほとんどいないでしょうから参拝にそれほど時間はかかりません。
奥の院は参拝時間よりも五重塔からの往復に時間がかかります。
五重塔から奥の院までは片道15分前後かかります。
体力に自信がある方は10分、ゆっくり進まれる方は20分以上かかるかもしれません。
五重塔から奥の院に行って、参拝を済ませてから五重塔に戻るまでの所要時間の目安は40~50分と見積もっておきましょう。
奥の院は室生寺の中でも他の場所とは雰囲気が異なり魅力的です。
足が悪い方以外は奥の院へ参拝することをおすすめします。