室生寺の国宝・釈迦如来坐像は弥勒堂に祀られています。
弥勒堂はその名の通り弥勒菩薩を本尊とする仏堂ですが、
釈迦如来坐像が国宝ということもあって本尊・弥勒菩薩立像よりも有名です。
彫りの深いリズミカルな衣文は、見ていて気持ちがいいほどです。
この記事では、釈迦如来坐像の特徴や弥勒堂の特別拝観について触れます。
室生寺弥勒堂の国宝・釈迦如来坐像の特徴は?
室生寺弥勒堂の釈迦如来坐像
- 員数:1躯
- 文化財指定:国宝
- 時代・年代:平安時代初期(9世紀)
- 素材・技法:木造(カヤの一木造)
- 像高:106.3cm
室生寺弥勒堂の釈迦如来坐像は、平安時代初期彫刻を代表する仏像の1つです。
頭部に螺髪(らほつ)が見当たりませんが、造像当初はあったと見られています。
印相は右手は施無畏印(せむいいん)、左手は与願印(よがんいん)です。
体躯は堂々としていて安定感があります。
カヤの一木造で、右肘左腕まで含めて一木で造られています。
両脚部は別材をはぎつけています。
背中から内刳(うちぐり)が施されています。
平安時代前期の仏像に多用される翻波式衣文が全身に見られますが、
この釈迦如来坐像ほど範囲にわたって翻波式衣文が使用されている仏像は珍しいです。
翻波式衣文の大波部分と小波部分の高さがほとんど同じに彫られています。
衣文にリズミカルな印象を抱きます。
大きさはほぼ等身大で、弥勒堂内に安置されている姿をはじめて横目で見たときは、
一瞬、生身の人間が座っているかのように見えました(笑)
室生寺弥勒堂の釈迦如来坐像の拝観情報
弥勒堂の中央には本尊・弥勒菩薩立像が安置されています。
釈迦如来坐像は弥勒菩薩像の向かって右側に安置されています。
どちらも通年公開されている仏像なので、いつでも拝観することができますが、
弥勒堂の内部に立ち入ることはできません。
入堂できないので、屋外から内部を拝観することになります。
屋外から内陣までは距離があるので、仏像を見づらいです。
通常は入堂できない弥勒堂ですが、特別拝観の時のみ内部に立ち入ることができます。
室生寺弥勒堂の特別拝観はいつ?
特別拝観では弥勒堂の内部に立ち入れるため、通常よりも仏像に近づいて拝観できます。
仏像好きな人にとっては嬉しいことですが、弥勒堂の特別拝観の時期は不定期です。
弥勒堂の特別拝観は2011年7月30日~8月14日、2012年9月15日~10月14日、
2013年9月14日~10月14日など(他の年もあったかも)に行われました。
金堂は毎年のように内部に立ち入れる特別拝観が行われているので、
弥勒堂の特別拝観も毎年実施されると良いのになと個人的には思います。
室生寺金堂諸仏特別拝観2017と通常拝観の違いは?特別拝観の期間と料金も
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