東大寺法華堂(ほっけどう)は、東大寺の建造物の中で、現存する最古の建築です。
もともと別々だった2棟の建物を改造され、 1つのお堂になっています。
法華堂の内部では奈良時代に作られた仏像が数多く安置されていますが、お堂内部の拝観は有料です。
法華堂の歴史や拝観料金、見学の所要時間などを紹介します。
東大寺法華堂(三月堂)の歴史と建築を簡単に説明
東大寺の建築物は焼失と再建を繰り返しているものが多く、奈良時代から今日に渡って現存するものは少ないです。
法華堂はそんな数少ない奈良時代の建築で、東大寺の建造物で最も古いです。
法華堂は東大寺の寺伝では、東大寺建立以前にあった金鐘寺(きんしょうじ)の遺構と推定されています。
金鐘寺は、聖武天皇の皇太子で生後1年経たずに夭折された基親王(もといしんのう)の菩提を弔うために建てられた寺院
です。
なので、法華堂は東大寺の誕生より前からあるお堂で、730~740年代に建立されたお堂であると推定されています。
法華堂は752年の時点では、羂索堂(けんじゃくどう)と呼ばれていて、不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)を本尊 とするお堂でした。
やがて法華会(ほっけえ)という法要が行われるようになり、法華堂と呼ばれるようになったそうです。
法華堂には三月堂(さんがつどう)の異名がありますが、一般的に旧暦の3月に法華会が行われたことが由来とされています 。
法華堂は、仏像を祀る北側の正堂(しょうどう)と礼拝するための南側の礼堂(らいどう)で構成されています。
おおざっぱですが、上の画像の赤線の左側が正堂、右側が礼堂です。
屋根が寄棟造の部分が正堂で、入母屋造の部分は礼堂です。
正堂は奈良時代の建築ですが、礼堂は鎌倉時代の建築です。
法華堂は異なる時代の2棟の建築が鎌倉時代に1つの建造物としてつながれて、今日に至っています。
礼堂の屋根はもとは入母屋造ではなく、正堂と軒を連ねて前後に並び建つ双堂(ならびどう)形式でした。
正堂と礼堂をつなげる時に、礼堂の屋根は現在の入母屋造に改築され、つなげられました。
法華堂(三月堂)の場所はどこ?地図を掲載
東大寺法華堂(三月堂)は、大仏殿から見て東の方角にあります。
法華堂(三月堂)の近くには、二月堂や四月堂のほか、手向山八幡宮があります。
法華堂の周辺は大仏殿ほど混雑していませんが、観光客はそこそこいます。
東大寺法華堂の拝観料と拝観時間は?
法華堂の内部に入場(入堂)するには拝観料が必要です。
東大寺法華堂の拝観料(個人料金)
- 大学生以上:500円
- 高校生 :500円
- 中学生 :500円
- 小学生 :300円
団体割引は30名以上で適用されます。
東大寺法華堂の拝観料(団体料金:30名以上)
- 大学生以上:450円
- 高校生 :400円(教職員は無料)
- 中学生 :300円(教職員は無料)
- 小学生 :200円(教職員は無料)
法華堂の拝観時間は季節によって変動します。
東大寺法華堂の拝観時間
(開門時間~閉門時間)
- 11~2月:午前8時~午後4時30分
- 3月 :午前8時~午後5時
- 4~9月 :午前7時30分~午後5時30分
- 10月 :午前7時30分~午後5時
拝観時間が短い冬期でも、ほかの寺院と比較すると拝観時間が長いですね。
法華堂の見所は堂内に祀られている仏像です。
人の背丈を上回る巨大な仏像がたくさん安置されています。
東大寺法華堂の見所は国宝の仏像群!見学所要時間は?
法華堂の堂内には本尊・不空羂索観音菩薩立像をはじめとした国宝の仏像10体が安置されています。
不空羂索観音の読み方は「ふくうけんさくかんのん」のほか「ふくうけんじゃくかんのん」とも表記されることがあります。
不空羂索観音菩薩立像の像高は362.0cmです。
それ以外の仏像も3mや4mを超える巨大な像ばかりで、迫力があります。
法華堂の見学所要時間の目安は5分~20分くらいです。
東大寺戒壇院と同様に、法華堂の見学所要時間の長さは仏像に対する興味の深さによって大きく変わります。
東大寺法華堂(三月堂)の仏像一覧は?仏像配置図で安置場所を説明
堂内では腰を掛けて拝観できるので、心を穏やかにして仏像と向かい合うことができますよ。