書写山圓教寺(円教寺)は西国三十三所第27番札所になっている寺院で、33の札所の中で西端に位置します。

圓教寺には本尊・如意輪観音坐像や重要文化財に指定されている仏像がありますが、秘仏も少なくありません。

この記事では、圓教寺の主な仏像の安置場所や公開時期などを紹介します。

圓教寺(円教寺)の本尊・如意輪観音菩薩坐像の御開帳はいつ?

圓教寺の本尊は摩尼殿(まにでん)に安置されている如意輪観音菩薩坐像です。

この如意輪観音菩薩坐像は、西国三十三所第27番札所の本尊でもあります。

 

如意輪観音坐像は1933年(昭和8年)石本暁海氏の手による仏像です。

如意輪観音坐像は秘仏で普段、圓教寺を参拝しても拝観できません。

御開帳は毎年1日、修正会(しゅしょうえ)が行われる1月18日のみです。

 

摩尼殿安置の本尊・如意輪観音坐像の御開帳は1月18日のみ

 

圓教寺には県指定重要文化財の如意輪観音坐像も存在しますが、摩尼殿の現本尊とは別の像です。

県指定重文の如意輪観音坐像は2006年に小厨子から発見された鎌倉前期制作の小像(像高20㎝)ですが、通常非公開の秘仏です。

開扉の時期は定まっておらず、2006年の発見時の公開以来、開扉されていないようです。

 

圓教寺には国の重要文化財に指定されている仏像(彫刻)が4件あります。

常時公開されているものもあれば、秘仏もあります。

圓教寺の重要文化財の仏像の公開情報を掲載します。

圓教寺には重要文化財の仏像がたくさん!一覧と公開情報を掲載

圓教寺の重要文化財 仏像(彫刻)一覧

  • 木造釈迦如来及両脇侍像(大講堂安置) – 1923年(大正12年)3月28日指定
  • 木造四天王立像(摩尼殿安置) – 1923年(大正12年)3月28日指定
  • 木造阿弥陀如来坐像(常行堂本尊) – 1995年(平成7年)6月15日指定
  • 木造性空坐像(開山堂安置) – 2009年(平成21年)7月10日指定

 

1件ずつ公開情報を紹介します。

重要文化財 木造釈迦如来及両脇侍像(3体)

安置場所:大講堂

公開時期:常時

 

大講堂に安置されている重文の釈迦三尊像は、永延元年(987年)の造立とされる像です。

常時公開されていますが、遠くて、堂内も薄暗くその姿を見づらいです。

事前に拝観予約をすると近くで拝観できるようです。

 

重要文化財 木造四天王立像(4体)

安置場所:摩尼殿

公開時期:毎年1月18日

 

摩尼殿に安置される重文の四天王立像はもともと講堂釈迦三尊像の周囲に置かれていた像で、足下の邪鬼も含めて内刳りのないヒノキの一木造です。

重文の釈迦三尊像と同時期(987年)の制作とみられています。

秘仏で、御開帳されるのは本尊如意輪観音坐像と同じ1月18日の修正会の時です。

 

重要文化財 木造阿弥陀如来坐像(1体)

安置場所:常行堂

公開時期:常時

 

常行堂の阿弥陀如来坐像は寛弘2年(1005年)作の丈六仏で、常時公開されています。

大講堂の釈迦如来両脇侍像と同様に事前に拝観予約をすると近くで拝観できるようです。

 

重要文化財 木造性空坐像(1体)

安置場所:開山堂

公開時期:毎年3月10日と4月10日

 

開山堂安置の性空上人坐像は、旧像が弘安9年(1286年)に焼失したことをうけて、正応元年(1288年)に慶快が造像したものです。

 

旧像内部には瑠璃壺が納められていて、さらに瑠璃壺には性空上人の遺骨が納められていました。

遺骨は旧像が焼失した時に焼け残ったので、新像(現在の重文・性空上人坐像)の内部に納入されています。

秘仏ですが、毎年3月10日と4月10日の2日のみ御開帳されています。

(4月10日は性空上人忌で、4月10日は旧暦で3月10日に当たります)