高野山金剛峯寺の国宝・八大童子立像は運慶作の仏像で、高野山霊宝館で拝観することができますが、常設展示ではありません。

当記事では、国宝・八大童子像の公開期間について掲載します。

 国宝・八大童子立像(運慶作)はいつ展示される?

 八大童子立像の展示は不定期です。

毎年公開されるとは限りませんし、他の寺院の秘仏や非公開の仏像のように御開帳、公開される間隔が一定ではありません。

展示される場合も八大童子が8躯とも揃って展示されるとは限らず、1~2躯だけ展示されることも少なくありません。

八大童子立像を拝観できる場所は、基本的に高野山霊宝館ですが、

美術館・博物館の展覧会で過去に何度も展示された実績があります。

高野山霊宝館での公開も、展覧会での公開も、どちらにしても不定期の公開であることには変わりありません。

ですが、八大童子の過去の展示記録を振り返ると、展示の頻度(レア度)がある程度わかります。

参考程度に展示記録の一覧を掲載します。

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八大童子立像の展示記録一覧

八大童子の過去の展示記録を時系列順にわかる範囲でまとめました。

古い時期になるほど展示作品の一覧を見つけづらく、漏れがありますが、ご容赦ください。

高野山霊宝館がリニューアルされた2005年以降は漏れがなさそう(100%ないとは言い切れない)なので、

比較的最近の展示頻度を知る参考にはなると思います。

国宝の仏像に興味をお持ちの方の中には、八大童子立像だけでなく

金剛峯寺のもう一つの国宝彫刻・諸尊仏龕(しょそんぶつがん)の展示期間が気になる人もいるのではないでしょうか?

八大童子立像と 諸尊仏龕は同時に展示される場合があります。

これから掲載する一覧は八大童子立像の展示記録ですが、

八大童子立像と諸尊仏龕が同時公開された場合のみ

「諸尊仏龕も同時公開」されたこと記載しています。

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高野山霊宝館の国宝・諸尊仏龕の公開期間はいつ?展示頻度紹介

展示記録一覧(簡易版)

諸尊仏龕も同時公開の場合は「※1」を記載

展示場所を記載していないものは、高野山での公開です。

 

1921年3月(躯数不明) ※1

1965年4月1日~5月20日 (5躯) ※1

1980年7月20日~???(2躯)※1

1982年8月1日~31日(1躯)

1984年4月1日~5月20日(8躯) ※1

1985年9月14日~11月4日(1躯)

1988年8月1日~8月31日(8躯) ※1か?

1989年8月1日~8月31日(6躯)

1993年7月20日~9月3日(8躯)

1999年7月18日~8月31日(1躯)

1999年10月3日~11月4日(8躯か?)

2002年7月20日~9月30日(1躯) ハワイホノルルアカデミー美術館

2003年4月15日~5月25日(8躯) 京都国立博物館 ※1

2003年10月10日~11月24日(8躯) 愛知県博物館 ※1

2004年4月6日~5月16日(8躯) 東京国立博物館 ※1

2004年7月20日~9月10日(8躯か?) ※1

2004年10月9日~11月23日(8躯) 和歌山県立博物館 ※1

2005年5月19日~6月12日(2躯) 石川県立美術館 ※1

2005年7月16日~9月11日(2躯)

2006年9月9日~10月22日(8躯) 北海道立旭川美術館 ※1

2007年4月26日~6月3日(8躯) 北海道立近代美術館 ※1

2007年7月14日~9月9日(1躯)

2007年9月15日~12月9日(1躯)

2008年4月26日~7月6日(2躯)

2008年9月27日~12月7日(8躯)

2009年7月18日~9月27日(6躯) ※1

2010年7月17日~9月26日(2躯)

2011年4月29日~7月10日(1躯)

2011年7月16日~9月25日(1躯)

2012年7月14日~9月23日(2躯)

2013年7月13日~9月23日(6躯) ※1

2014年10月11日~12月7日(8躯) サントリー美術館 ※1

2015年1月23日~3月8日(8躯) あべのハルカス美術館 ※1

2015年3月21日~5月21日、5月30日~7月5日(8躯) 4月2日~5月21日のみ※1

 

以下、展示記録の詳細です。

高野山での展示記録(2004年以前)

霊宝館開館記念「高野山霊宝展」

1921年3月

八大童子のうち、展示された躯数は不明

諸尊仏龕も同時公開

高野山御開創1150年記念大法会「奉賛特別秘宝展目録」

1965年4月1日~5月20日 

八大童子のうち、恵喜童子、烏倶婆誐童子、清浄比丘童子、指徳童子、阿耨達童子の5躯

諸尊仏龕も同時公開

第1回高野山霊宝展「弘法大師と高野山」

1980年7月20日~???

八大童子のうち、恵喜童子、烏俱婆誐童子の2躯

諸尊仏龕も同時公開

第3回霊宝展「真言密教の忿怒像」

1982年8月1日~31日

八大童子のうち、制多迦童子1躯

第5回霊宝展「弘法大師の名宝」この世の浄土と永遠の祈り

1984年4月1日~5月20日

弘法大師御入定1150年御遠忌にあたる年ということで、

八大童子が8躯そろって公開

諸尊仏龕も同時公開

第6回大宝蔵展「源平の時代と高野山」

1985年9月14日~11月4日

八大童子のうち、矜羯羅童子1躯 

第9回大宝蔵展「孔雀明王修復完成記念」

1988年8月1日~8月31日

八大童子が8躯そろって公開

諸尊仏龕も同時公開か?

理由はよくわかりませんがこの年に「高野山霊宝展」が「高野山大宝蔵展」に改名されました。

(この一覧では第8回以前でも「第○回霊宝展」ではなく「第○回大宝蔵展」と記載しています。)

第10回大宝蔵展「高松宮下賜美術品」「八大童子像」

 1989年8月1日~8月31日

八大童子のうち6躯(おそらく後補の2躯以外)

高松宮家が所蔵する文化財が高野山に下賜されたことを記念して、

下賜された文化財とともに、八大童子も公開されました。

第14回大宝蔵展「高野山の明王像」

1993年7月20日~9月3日

八大童子が8躯そろって公開

高野山に伝わる明王に関する文化財を仏像に限らず仏画、工芸、書跡も含めて公開されました。

第20回大宝蔵展「仏の姿」

1999年7月18日~8月31日

八大童子のうち、指徳童子1躯

平成の大修理 国宝不動堂落慶記念展「不動堂と八大童子像」

1999年10月3日~11月4日 

八大童子の何躯展示されたか不明(8躯か?)

他の寺院でも行われることがある建造物修復完成を記念しての特別公開です。

旧不動堂の不動明王とともに、八大童子を一堂に集めて公開したそうなので8躯すべてだと思われます。

第25回大宝蔵展「高野浄土への憧れ」

2004年7月20日~9月10日

八大童子のうち何躯が公開されたのか不明ですが、

この特別展の期間の前後に各地の美術館で八大童子が8躯そろって公開されているので

高野山でも8躯そろって公開されたと思われます。

諸尊仏龕も同時公開

高野山での展示記録(2005年以降)

第26回大宝蔵展「密教曼荼羅・コスモスの世界」

2005年7月16日~9月11日

八大童子のうち、矜羯羅童子、恵喜童子2躯 

第28回大宝蔵展「信仰マンダラの世界 高野山―神仏への祈り―」

2007年7月14日~9月9日

八大童子のうち、制多迦童子1躯

秋期企画展「仏に祈りを込めた法具」

2007年9月15日~12月9日

八大童子のうち、矜羯羅童子1躯

春期企画展「童子とほとけ」

2008年4月26日~7月6日

八大童子のうち、恵光童子、指徳童子の2躯

第29回大宝蔵展「高野山の名宝」

2008年9月27日~12月7日

八大童子が8躯揃って公開

第30回大宝蔵展「高野山の名宝」

2009年7月18日~9月27日

八大童子のうち6躯(後捕の2躯以外)

諸尊仏龕も同時公開

夏期特別展「ちいさなほとけさま」

2010年7月17日~9月26日

八大童子のうち、制多迦童子、矜羯羅童子の2躯

高野山霊宝館開館90周年記念企画展「宝を護れ!~大正時代の保存プロジェクト~」

2011年4月29日~7月10日

八大童子のうち、清浄比丘立像1躯

夏期特別展「女性と高野山」

2011年7月16日~9月25日

八大童子のうち、恵喜童子立像1躯

夏期特別展「清盛時代の高野山」

2012年7月14日~9月23日

八大童子のうち、恵光童子、烏倶婆誐童子の2躯

第34回大宝蔵展「高野山の名宝」八大童子に会いにきませんか

2013年7月13日~9月23日

八大童子のうち6躯(後補の2躯以外)

諸尊仏龕も同時公開

高野山開創1200年記念展「初公開! 高野山の御神宝」

2015年3月21日~5月21日、2015年5月30日~7月5日

八大童子が8躯そろって公開

高野山開創1200年記念の2015年は、八大童子が展示された高野山霊宝館内の別の展示室で

開創法会期間限定特別公開「高野山三大秘宝と快慶作孔雀明王像」が2015年4月2日~5月21日に開催されました。

そこで諸尊仏龕が公開されたので、2015年4月2日~5月21日のみ八大童子と諸尊仏龕が同時公開となりました。

美術館・博物館での展示記録

高野山密教秘宝展

2002年7月20日~9月30日 ハワイホノルルアカデミー美術館

八大童子のうち、恵光童子1躯

諸尊仏龕も同時公開

弘法大師入唐1200年記念「空海と高野山」

2003年4月15日~5月25日 京都国立博物館

2003年10月10日~11月24日 愛知県博物館

2004年4月6日~5月16日 東京国立博物館

2004年10月9日~11月23日 和歌山県立博物館

八大童子が8躯そろって公開

諸尊仏龕も同時公開

弘法大師空海 その信仰と名宝展

2005年5月19日~6月12日 石川県立美術館

八大童子のうち、恵光童子、制多迦童子の2躯を展示

諸尊仏龕も同時公開

「空海マンダラー弘法大師と高野山展」

2006年9月9日~10月22日 北海道立旭川美術館

2007年4月26日~6月3日 北海道立近代美術館

八大童子が8躯そろって公開

諸尊仏龕も同時公開

高野山開創1200年記念「高野山の名宝」展

2014年10月11日~12月7日 サントリー美術館

2015年1月23日~3月8日 あべのハルカス美術館

八大童子が8躯がそろって公開

諸尊仏龕も同時公開

展示記録を振り返って

展示記録の一覧を振り返ると、

八大童子のうち、展示される躯数は1~2躯か6躯、8躯であることがほとんどです。

6躯展示される場合は、後補である2躯を除いた6躯がまとめて展示されていることもわかります。

6躯あるいは8躯がそろって公開されるのは、

やはり高野山にとって「○年記念」など節目となる年であることが多いようです。

意外だったのは高野山と外部の美術館・博物館での展示を合わせると、

2002年~2015年は連続で1躯以上が公開されていることでした。

高野山霊宝館での展示に比べて、外部の美術館・博物館の展示は

8躯そろって公開される割合が高いですし、諸尊仏龕が同時公開されることも多いと言えそうです。

(外部の展覧会記録は高野山での展示記録よりも漏れが多そうなので、調べてわかった分を見る限りはですが。)

2016年は八大童子の展示はありませんでしたが、2017年は展示されることが決まっています。

運慶作国宝・八大童子立像が2017年に公開!展示期間はいつ?