日本で一番有名な仏師は誰?と問われると多くの人が「運慶」と答えるのではないでしょうか?
運慶の作品として最も知られているのは、国宝指定されている東大寺南大門の金剛力士像(仁王像)だと思いますが、大日如来坐像など他にもあります。
ここでは運慶の仏像を紹介します。
運慶作の仏像の件数は?
運慶の仏像は、確実に運慶の真作とされるものもあれば、推定で運慶の作品ではないかと見られているものもあります。
推定で運慶作とされる仏像は諸説あるため、どの仏像を運慶作とするかによって、数が変わります。
当記事では、運慶の真作と推定作品を合わせた件数を15件としています。
運慶の仏像の躯数は、当記事の数え方だと47躯になります。
躯数と件数の違いは、躯数は仏像をそのまま1体ずつ数えた時の数です。
それに対して、件数は仏像をひとまとめにして数えた時の数です。
運慶の作品一覧
運慶の真作の仏像、運慶の真作である可能性が高い仏像、運慶作と推定される仏像の3種類に分けて掲載します。
次の7件は、仏像本体に造像当初の銘記があるものや像内から納入品が見つかり、納入品に運慶または運慶工房の仏師の名前が記されている仏像です。
円成寺 大日如来坐像(国宝) 1躯
願成就院 阿弥陀如来坐像、不動明王二童子像、毘沙門天立像(国宝) 5躯
浄楽寺 阿弥陀三尊像、不動明王立像、毘沙門天立像(重要文化財) 5躯
東大寺南大門 金剛力士像(国宝) 2躯
興福寺北円堂 弥勒仏坐像 1躯
興福寺北円堂 無著・世親像(国宝) 2躯
光明院 大威徳明王像(重要文化財) 1躯
次の1件は、造像されたのと同じ時代の信頼性の高い史料に「運慶作」と記述されている仏像に、明らかに該当する仏像です。
興福寺 木造仏頭(重要文化財) 1躯
運慶の時代より後の時代の史料に「運慶作」と記されていて、仏像の作風も運慶のものと矛盾しない仏像です。
金剛峯寺 八大童子像(国宝) 6躯
瀧山寺 聖観音菩薩立像、梵天・帝釈天像(重要文化財) 3躯
六波羅蜜寺 地蔵菩薩像(重要文化財) 1躯
八大童子像は8体の童子ですが、そのうち2躯は運慶作ではありません。
現代の美術史研究によって、仏像の構造技法・作風、伝来状況から運慶の作品ではないかと推定されている仏像です。
眞如苑 大日如来坐像(重要文化財) 1躯
光得寺 大日如来坐像(重要文化財) 1躯
東大寺 俊乗上人坐像(国宝) 1躯
旧浄瑠璃寺 十二神将像(重要文化財) 12躯
興福寺南円堂 四天王像(国宝) 4躯
運慶の作品が集まる展覧会で東京国立博物館(東博)で行われます。
関西では快慶の仏像を集めた展覧会が行われます。