奈良公園には東大寺や興福寺など日本を代表する国宝仏像を所有する寺院が歩いて行ける距離にありますが、
国内の博物館で仏像を拝観するなら一番おすすめしたい奈良国立博物館も奈良公園にあります。
奈良国立博物館にはなら仏像館という仏像展示のための展示館があり、国宝・重要文化財の仏像も展示されています。
この記事では奈良国立博物館で拝観することができる国宝仏像を紹介します。
奈良国立博物館が所有する国宝仏像は?
奈良国立博物館が所有する国宝の仏像は薬師如来坐像1件です。
奈良国立博物館所有の国宝仏像(1件)
- 薬師如来坐像
博物館所有の国宝仏像件数が1件なので、奈良国立博物館で拝観できる国宝仏像は1件だけ?というとそうではありません。
博物館には博物館が所有権を持つ館蔵品(収蔵品)以外にも寄託品があります。
寄託品には無指定の仏像もあれば国宝・重要文化財指定されている仏像もあります。
博物館の文化財(美術作品)の寄託と寄贈の違いとは?所有権がポイント
この寄託された仏像も館蔵品(収蔵品)とともに奈良国立博物館内で展示されることがありますので、
博物館所有の館蔵品だけでなく、寄託されている国宝仏像も拝観するチャンスがあるんです。
博物館の収蔵品は購入されたものだけじゃない?奈良博の仏像を例にみてみる
続いて、奈良国立博物館に寄託されている国宝仏像の一覧を掲載します。
奈良国立博物館で拝観できる国宝仏像の数と一覧
奈良国立博物館に寄託されている国宝仏像の件数は4件です。
奈良博に寄託中の国宝仏像一覧
- 元興寺薬師如来立像(がんごうじやくしにょらい)
- 岡寺義淵僧正坐像(おかでらぎえんそうじょう)
- 薬師寺八幡三神坐像(やくしじはちまんさんしん)
- 金剛寺不動明王坐像(こんごうじふどうみょうおう)
金剛寺の降三世明王坐像は2017(平成29)年に国宝に指定されたばかりの仏像です。
降三世明王坐像1体が単独で国宝指定されたわけではなく、
大日如来坐像、不動明王坐像と合わせて3体で1件の国宝に指定されました。
金剛寺ではお堂の改修工事が行われているため工事期間中、3体の仏像が博物館に寄託されました。
奈良国立博物館には降三世明王坐像のみが寄託され、残りの2体は京都国立博物館に寄託されています。
詳細はこちら:天野山金剛寺の大日如来、不動降三世明王が国宝に指定!拝観するには?
国宝の仏像本体ではありませんが、
奈良国立博物館には聖林寺十一面観音菩薩立像(しょうりんじじゅうちいめんかんのんぼさつ)の光背が寄託されています。
聖林寺十一面観音菩薩立像は国宝の仏像で、仏像本体は奈良県桜井市にある聖林寺に安置されています。
その聖林寺十一面観音菩薩立像の光背は、現在も奈良国立博物館に寄託されていて展示されることがあります。
奈良国立博物館には仏像を展示するための施設であるなら仏像館があります。
なら仏像館では仏像が常設展示されています。
常設展示では館蔵品(収蔵品)と寄託品の両方が展示されます。
奈良国立博物館の特別展や企画展の期間中は、一部の仏像が東新館や西新館で展示されることもありますが、
基本的に寄託品を含む奈良国立博物館の仏像は、なら仏像館で展示されています。
ただ、なら仏像館の仏像が常設展示されているとはいえ、まったく展示替えがないわけではありません。
展示内容によっては、国宝仏像を拝観できない場合もあります。
国宝仏像が展示される期間はいつなのでしょうか?
なら仏像館の国宝仏像の展示期間はいつ?
なら仏像館では数ヶ月に1度の頻度で展示替えが行われます。
いつどの国宝仏像が展示されるかは、出陳作品を確認するしかありません。
奈良国立博物館のホームページでは「今日見られる国宝」というページがあり、
その日に展示されている国宝の一覧(仏像彫刻以外も含む)を確認することができます。
数ヶ月先の展示予定を確認したい場合は、名品展の出陳一覧を確認しましょう。
下記リンク先のページの中に仏像の出陳一覧のリンクがあり、そこから仏像の出陳一覧を確認できます。
収蔵品と寄託品を合わせた5件の国宝仏像は、それぞれ例年、年に数ヶ月間は展示されているので
拝観する機会はそれほど少ないわけではありません。